全国の公立小中学校で、発達障害により「通級指導」を受けている児童・生徒が初めて9万人を越えていることが初めてわかった。この20年あまり間で7倍以上増えた。その対策をコラムニストのオバタカズユキ氏が考える。 * * * 18年前より「キレイ事は一切抜き」の精神で『大学図鑑!』という大学案内本を毎春出している。このところは、自著だけでなく、進学や教育分野のプロを著者とする書籍の企画・編集にも勤しんでいるのだが、そのからみで出会った教育関係者たちから頻繁に聞かされる件がある。「発達障害の増加」についてだ。 例を挙げればキリがないのだけれども、中学生になっても授業中の立ち歩きが治まらないばかりか、「ちょっと目を離した途端、教室の床の上を赤ちゃんハイハイしているんですよ!」といったエピソードが続出する。そのハイハイ君はADHD(注意欠陥多動性障害)と診断された子だそうだが、他にも読み書きなどに困難を