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ブックマーク / www.nikkei-science.com (43)

  • 「時間の矢」の宇宙論的起源

    現在の宇宙の標準モデルでは,私たちの宇宙は粒子が狭い空間に一様に詰め込まれた状態から始まり,星や銀河でムラのある現在の姿を経て,やがてはほとんど何もない空っぽな空間になるとされている。なぜ宇宙の過去と未来はこんなにも大きく違うのだろうか? しかも,宇宙の振る舞いの根底にあり,極微の世界を記述する物理法則は,過去と未来を区別しないのに。 オムレツは元の卵には戻らず,コーヒーとミルクが勝手に混ざることはあっても,自然と分離することはなく,昔のことは覚えていても,未来のことは覚えていない。日常生活には過去から未来を向く「時間の矢」が確かにあるように思われる。時間の矢は「熱力学第2法則」(エントロピー増大則)と関係しているものの,それだけでは宇宙の過去と未来が明らかに違うことを説明することはできない。なぜ初期宇宙として高温・高密度で一様な状態,すなわち異常にエントロピーが小さく特殊な状態が選ばれた

    「時間の矢」の宇宙論的起源
    yuiseki
    yuiseki 2008/07/29
  • ナノテクが生んだ光干渉ディスプレー|日経サイエンス

    新しい携帯電話を購入する機会があったら,表示パネルをよく観察してほしい。クアルコム社の思惑どおりに事が進めば,その小さなディスプレーは「バタフライ効果」という言葉にまったく新しい意味を加えるかもしれない。 最近,サンディエゴを拠点とするクアルコムが発表した干渉変調(Interferometric Modulation,IMOD)ディスプレーは,蝶の羽ばたきが気象に与える影響とは何の関係もないが,人工的に作られた微細構造で,熱帯の青い蝶の羽と同じような光彩を生み出している。クアルコムはこの“バタフライ効果”によって,現在ディスプレー市場で優勢な液晶よりも優れた表示が可能になるとみている。 何より,IMODディスプレーはモバイル機器の電池消耗が非常に少なくてすむのが大きな利点だ。たいていの液晶ディスプレーはバックライトがなければ見えないので,携帯電話でのインターネット閲覧やメールの送受信,ゲー

    ナノテクが生んだ光干渉ディスプレー|日経サイエンス
    yuiseki
    yuiseki 2008/05/11
  • 豊かさが招く不幸|日経サイエンス

    今日の米国人の生活では,何かを選ぶ機会もその際の選択肢の数も以前よりずっと多くなった。ある程度までは,選択の機会があることで私たちの生活はより豊かになる。魅力的な選択肢があるのなら,その数が多い方がいいだろう。理屈の上ではそうなる。たくさんの選択肢の中から選びたいという人はその数が多ければ喜ぶだろうし,そうでない人はまだべたことのないコーンフレークの類が273種類もあると知っても気にならない。だが最近の研究は,心理学的にはこの仮定が間違っていることを明確に示している。確かに選択肢はないよりはあった方がいいが,多ければいいとは限らないのだ。 これは大規模な社会動向とも一致する。ホープ・カレッジのマイヤース(David G. Myers)やエール大学のレーン(Robert E. Lane)などさまざまな社会学者が,人々の幸福感を調べている。それによると,米国のような豊かな社会では,選択肢や豊

    豊かさが招く不幸|日経サイエンス
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    yuiseki 2008/02/18