◇天理・薬品工場火災 近隣は一時避難も 天理市南六条町の化学薬品製造工場「大東化成」が全焼した火災は、出火から1時間たっても爆発音が響き、破片が周囲に飛び散った。猛烈な勢いで上がる黒煙と火柱に、周辺の店やホテルの客らは一時避難を余儀なくされた。 天理署などによると、爆発した工場はトルエンを製造していた。出火当時、大東化成の従業員の男性(44)が廃油から精製したトルエンをプラスチックのバケツからドラム缶に移し替える作業をしていたところ、突然「シュー」という音がして発火したという。 出火は午後2時半ごろ。「ボーンという爆発音が聞こえて外に飛び出すと、真っ黒な煙がもくもく上がっていた。爆発のたびに地響きがした」。向かいの工場経営吉岡義紘さん(67)は振り返った。 薬品が入ったドラム缶に引火したとみられ、黒煙と炎が上がった後、数分おきに爆発が続いた。長さ1メートルほどの破片が約20メートル