EU(欧州連合)の執行機関である欧州委員会は1月下旬、利用者がネット事業者に自分の個人情報の削除を要求できる「忘れられる権利(rights to be forgotten)」を盛り込む法案をまとめた。一方、アメリカのオバマ大統領は2月下旬、「消費者プライバシー権利章典」(Consumer Privacy Bill of Rights)の草案を公開した。 昨今のITビジネスは、個人情報を貪欲に蓄積しつつ、それを効率的に利用することで発達している。ユーザーもその便利さを享受してきたが、その裏で消費者が予想もしていなかったような事態が進んでいることは、すでにいくつか見てきた。インターネットが推進する新たなビジネスを円滑に進めつつ、個人のプライバシーを守るにはどうすればいいのか。欧米が新たな取り組みを始めたわけである。 個人情報保護へ「待ったなし」の取り組み EUは1995年に個人データ取り扱いに