簡単なたとえ エントロピーの正体を理解するために,次のような小道具を用意して考えよう.次の図のように容器の内部を 6 つの領域に分けて番号を付ける.特に仕切りを作る必要はない. ここでサイコロを一回振って,出た目と同じ番号の場所に玉を一つ置く.これを 100 回も繰り返せば,100 個の玉は 6 つの領域にほぼ均等に置かれることになるだろう.経験上そうなることを知ってはいるが,なぜそうなるのだろうか. 逆に質問をこう変えると分かりやすい.全ての玉が左端に集まったりしないのはなぜだろうか.それは確率の問題である.左端に集まるためのサイコロの目の組み合わせは,100 回とも 1 の目が出るという一通りしかないからだ. 玉が全体にほぼ均等に散らばるのは,それを実現するようなサイコロの目の出方が,他と比べて圧倒的に多くあるからだと言える. 自由研究: 玉が 1 だけに集まる組み合わせは一通りしかな