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ブックマーク / jinjisoshiki.hatenablog.com (16)

  • 新入社員が酒に溺れ体を壊していくメカニズム - 人事組織の研究ブログ

    企業に新しく入社する新入社員は、入社前までの「外部の人間」から「会社の一員」になることが期待されます。組織行動論では、新人社員が新しい組織にだんだんと馴染んでいく(適応していく)プロセスを「組織社会化」と呼びます。新入社員が組織に適応し、会社の一員らしくなるということは、その組織の暗黙のルールやカルチャーを学習、会得し、会社の一員として企業業績の向上に貢献していくうえで重要なことだと言われています。また、組織社会化が促進されることは、社員のコミットメントも高まり、離職率も低減されるなど、望ましいことだと考えられています。そして、企業はフォーマルあるいはインフォーマルな手段を用いて、新入社員の組織社会化(組織への適応)を促進しようとします。例えば、新人研修や初任配属でのOJTなどがその一例です。そして、業務終了後に一緒に飲みに行く「飲みにケーション」も新入社員の組織社会化に重要な役割を果たす

    新入社員が酒に溺れ体を壊していくメカニズム - 人事組織の研究ブログ
    yuiseki
    yuiseki 2014/10/25
  • 仕事で負荷がかかることはクリエイティビティにどう影響するか - 人事組織の研究ブログ

    ビジネスの世界ではグローバル規模での競争が激化し、従業員がクリエイティビティを発揮し、イノベーションが起こることが競争に勝ち抜くために益々重要になりつつあります。同時にそれは、従業員に対してクリエイティビティやイノベーションへのプレッシャーを強めることにつながり、従業員にとってはストレス過多の状態に陥る可能性も出てきています。つまり、クリエイティビティが要求される職場になるほど、従業員に対するプレッシャーや仕事の負荷も高まるという状況になりがちなのです。ただし、ストレスの原因となるストレッサーは常に悪いわけではなく、むしろ従業員のクリエイティビティを促進するようなストレッサーもあるということが指摘されています。 例えば、ストレッサーでも障害的ストレッサー(hindrance stressors)と呼ばれるものは、雇用保障の欠如や過度な社内政治などに起因するストレッサーですが、これは一貫して

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  • ブラック企業による「カウンセリング・アウト」とは - 人事組織の研究ブログ

    外資系企業でよく聞く言葉に「アップ・オア・アウト」というのがあります。これは、昇進できなければ退職しないといけないというような仕組みを指します。それに対して、いわゆるブラック企業の1つで行われている「カウンセリング・アウト」という仕組みが、今野(2012)によって紹介されています。 今野は「ブラック企業」を定義することは難しいとして明確な定義をすることは避けていますが、ブラック企業を一言でいえば「違法な労働条件で若者を働かせる企業」だといいます。例えば、新卒社員を正社員として大量に採用し、過酷な労働条件を強いて働かせたうえで、肉体的、精神的に破壊された社員を使い捨てにするといった「使い捨てを前提とした大量採用と労務管理」を行っているような企業です。その中で今野は、IT系企業Y社が実施しているというカウンセリング・アウトの仕組みを紹介しています。ここでいう「カウンセリング」とは、「退職強要」

  • お客様からの理不尽な扱いに従業員はどう反応するのか(2) - 人事組織の研究ブログ

    「お客様からの理不尽な扱いに従業員はどう反応するのか(1)」において、従業員の共感(パースペクティブテーキング、相手の立場に立って考えること)の能力が高いと、顧客からの不当な対応にともなう悪影響が和らぐ可能性についての研究を紹介しました。 http://d.hatena.ne.jp/jinjisoshiki/20121125/1353845796 顧客からの理不尽な扱いにおける、従業員のモラル同一性(moral identity)の役割について行ったSkarlicki, van Jaarsveld, & Walker (2008)による研究を紹介します。まずSkarlickiらは、サービス業務に携わる従業員が顧客から理不尽な(アンフェアな)扱いを受けた場合、従業員の顧客に対する怠慢行動が増すことを予測しました。これは、不当な扱いを受けた従業員の心の中に怒りや非難の気持ちが芽生え、その気持ち

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  • お客様からの理不尽な扱いに従業員はどう反応するのか(1) - 人事組織の研究ブログ

    組織の従業員を尊重し、公正かつ丁寧に扱おうとするのがフェア・マネジメントの基ですが、従業員は組織のメンバー以外からも、フェア・アンフェアな扱いを受けます。その代表例が、サービス業における従業員が顧客から受ける扱いです。顧客対応を伴う業務の場合、様々なタイプの顧客と接することもあり、時には非常に理不尽だと思われる扱いをお客様から受けるということもあるでしょう。これは、フェア・マネジメントにとっても重要なトピックであるのです。何故ならば、組織として従業員をフェアに扱っていても、その従業員が顧客から理不尽に(アンフェアに)扱われるならば、それが何らかの悪影響を及ぼすことが予想されるからです。その例として、報復、怠慢、非生産的行動、そして従業員の心身のの健康問題などが挙げられます。 Rupp, McCance, Spencer, & Sonntag(2008)は、顧客から受けるアンフェアな扱いが

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  • 感情はクリエイティビティにどう影響するか - 人事組織の研究ブログ

    ビジネスや経営においては、新しい製品や新たな仕組みを生み出す「クリエイティビティ(創造性)」がより重要になってきています。研究者やクリエイターのような明らかにクリエイティビティが業績に直結するような職業でなくても、日々の業務において創意工夫を凝らして地道に業務やマニュアルを改善していくというクリエイティビティも重要です。 クリエイティビティと感情(気分、ムード)は大きな関わりがあると思われます。ここでは、様々な感情の中でもムード(気分)に絞って考えることにします。直感的には、ポジティブなムードがクリエイティビティを高めるように思えますし、それを支持する研究成果もあります。ネガティブなムードはクリエイティビティにとってはマイナスであるとも思えます。しかし、ムードとクリエイティビティの関係はもっと複雑なものであることが近年の研究で明らかになってきています。例えば、ポジティブなムードもネガティブ

    感情はクリエイティビティにどう影響するか - 人事組織の研究ブログ
  • クリエイティビティの「感情シフト」と不死鳥モデル - 人事組織の研究ブログ

    感情やムードはクリエイティビティに深く関与していると考えられています。一般的には、ポジティブなムードがクリエイティビティを高めると考えられていますが、そう単純な話でもありません。むしろ、クリエイティビティにはもっと幅広い感情経験が関与すると思われます。 参考:「感情はクリエイティビティにどう影響するか」 Bledow, Rosing, Frese (In press)は、クリエイティビティにはむしろ、ポジティブな感情とネガティブな感情の両方のダイナミックな相互作用が重要だと考え、それを「感情シフト」で説明しようとしました。彼らの主張は、新しいアイデアが湧きおこるのは、ネガティブ感情が生じた後であるというもので、気分が落ち込んだ(凹んだ)あとに元気になって創造力が高まるプロセスを「絶望の淵から不死鳥のようによみがえる」という例えを用いて説明します。つまり、なんらかの出来事によって気分が落ち込

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  • 組織行動論で注目を浴びる「中核的自己評価」 - 人事組織の研究ブログ

    組織行動論もしくは実務的に組織をマネジメントしていくうえで欠かせない考え方が、従業員は一人ひとり異なるという事実です。つまり個人差です。そこで問題となるのが、どのような個人差が人間の組織行動を理解し、組織マネジメントに役立てるうえで重要かということです。これに関し、従来から研究が蓄積されているのが、5要因モデルという性格特性です。それに対し、近年急速に注目が高まってきた個人差概念として「中核的自己評価(core self-evaluation)」があります。 中核的自己評価とは、人々が自分自身の存在価値や能力をどのように評価しているかを示す傾向です。簡単にいえば、自己評価に関する最も基的な個人差特性ということです。自己評価の高い人もいれば、低い人もいるということです。では、なぜ中核的自己評価が組織行動論で重要なのでしょうか。それは、中核的自己評価が、職務満足や職務成果など、組織の生産性に

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  • 「嫉妬」の組織行動学 - 人事組織の研究ブログ

    これまでの組織行動学では、「嫉妬」についてあまり研究がなされてきませんでした。しかし、仕事をしていくうえで、あるいは職場や組織のマネジメントにおいて「嫉妬」はしばしば起こりうるものであり、かつ「嫉妬」は職場の生産性やチームワークなどに大きな影響を及ぼすと考えられます。「嫉妬」をどうマネジメントするかは、組織の生産性を高めるうえでも重要なわけです。そこで今回は、Tai, Narayanan & McAllister (2012)による「嫉妬」の統合モデルを紹介します。 まずTaiらは、「嫉妬」を「他人の幸福によって感じる痛みを伴う感情」だと定義します。ポイントは、嫉妬は痛みを伴う感情であり、人間は基的に痛みを避けようとするため、嫉妬が生じればその痛みを解消するために人はさまざまな行動に出るということです。また、一般的に「嫉妬」はネガティブなもので、嫉妬した人は、嫉妬対象に対して敵対心を持

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  • 破壊的イノベーターの能力を身につける方法 - 人事組織の研究ブログ

    現代において、イノベーションこそが、製品を変え、サービスを変え、業界を変え、世界を変えていきます。とりわけ破壊的イノベーションは、既存の業界の常識を覆し、産業のパラダイムシフトにつながるでしょう。企業でいえば、スティーブ・ジョブズが率いてきたアップルは、イノベーティブな企業の筆頭にあがるでしょう。イノベーションは世界の経済、社会を活気づける原動力になるわけですが、どんなイノベーションも、最初は人々の革新的かつ創造的なアイデアから出発します。 では、このような革新的なアイデアを生み出すことができるのは、持って生まれた才能を持つ、特別な人だけなのでしょうか。たしかに、スティーブ・ジョブズなど類まれな才能を持った人物を見ているとそう感じるかもしれません。しかし、Dyer, Gregersen, & Christensen(2011)はそれを否定し、革新的なアイデアを生み出すスキルは、誰もが身につ

    yuiseki
    yuiseki 2011/09/10
  • 神経組織行動学の可能性 - 人事組織の研究ブログ

    組織行動学とは、組織における人間行動の特徴や法則性を解明することによって、組織のマネジメントに役立つ知識の蓄積を図ろうとする学問です。近年、この組織行動学にニューロサイエンス(神経科学)の知見を融合させようという試みが見られるようになりました。これは、神経経済学や神経マーケティングなど、神経科学によるムーブメントの一環のように思われますが、このような試みによって、神経組織行動学という分野も発展することが考えられます。この神経組織行動学はいったいどのような前提に立つ学問であり、まだどのような可能性を秘めているのでしょうか。BeckerとCropanzano(2010)による展望を基に考えてみたいと思います。 従来、組織行動学が前提としていたのは、組織全体の特徴や、それを形成するサブグループ(部署やチーム)の特徴の基礎にあるのは、個人の行動であるということです。ゆえに、個人行動が組織行動学の最

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  • ドラッカーはなぜ経営学者ではないのか - 人事組織の研究ブログ

    最近「もし高校野球の女子マネージャーが・・・」という著作が流行し、経営学におけるピーター・ドラッカーの知名度がますます高まっています。ピーター・ドラッカーは、現代の企業経営やマネジメントに多大な影響を及ぼした経営思想家だといわれます。けれども、ドラッカーは経営学者とはいえないと考えられます。では、経営思想家と経営学者はどこが違うのでしょうか。あるいは、経営思想と経営学はどこが違うのでしょうか。 一般的に、経営学(もしくはそれに関連する、戦略論や組織論など)は、学がつくことからわかるように、学問の1つとして考えられています。そして、経営学は、基的に社会科学という学問を基礎に発展しています。学問もしくは社会科学と思想の大きな違いは、学問については、何が正しいのか、ある命題が正しいか否かを決定するルールが定められているということです。もちろん、この世に絶対的に正しい真実があるわけではありません

    yuiseki
    yuiseki 2011/05/08
  • 大規模な組織間ネットワークはどのように進化するのか - 人事組織の研究ブログ

    組織間のネットワークは、いったん出現しそれが巨大化していくと、ネットワークに新たな組織が加わったり離脱したりと常にダイナミックに進化し、かつ複雑化していくと考えられます。では、こういった組織間ネットワークの進化は、どのような法則性に基づいて進化していくのでしょうか。とりわけ、ネットワークに新たに加わってくる組織は、どのような基準でどのような組織につながっていこうとするのでしょうか。 Powell, White, Koput & Owen-Smith (2004)は、こういった大規模な組織間ネットワークのダイナミックな進化プロセスを支配するつながりの論理として、4つの異なる論理を提案しました。1つ目は、「富むものはますます富む」という「蓄積利益の論理」で、これは新たに参加した組織が、すでに多くのつながりをもっている組織につながっていこうとする論理であり、「スケールフリー・ネットワーク」の理論

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    yuiseki
    yuiseki 2011/05/03
  • 主体的に仕事をデザインする「ジョブ・クラフティング」 - 人事組織の研究ブログ

    職場の心理学において有名な理論に、ジョブ・デザイン理論(職務設計理論)というものがあります。これは、人々をモチベートさせるのにもっとも重要なの要素の1つは仕事そのものであるとの前提に立ち、人々のモチベーションや生産性、満足感を高めるような仕事を設計するべきであると説く考え方です。職務設計理論の基礎となる職務特性モデルにおいて、HackmanとOldhamは、スキル多様性、スキル完結性、スキル有意義性、職務自由度、フィードバックといった職務特性を形成する5つの中核次元の肯定が、従業員のモチベーション、生産性、満足度などに影響を与えると論じます。これらの中核的職務特性が高い仕事を設計すればするほど、モチベーション、生産性、満足度などが向上すると考えるわけです。 働く人々のモチベーションや生産性にとって、外的報酬や懲罰なども大切ではあるが、仕事そのものが重要であるという考え方は非常に的を得た考え

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  • ネットワーク効果のパラドクス:組織はどれくらいネットワークに埋め込まれるべきか - 人事組織の研究ブログ

    組織がネットワークでつながることのメリットはいろいろあります。この場合、ネットワーク上にいる組織は、ネットワークに「埋め込まれている」状態にあるといいます。ネットワークに埋め込まれていることが、その組織の行動を規定し、業績や生存率を左右すると考えられます。 Uzzi (1996)は、組織がネットワーク構造の中に埋め込まれている度合い(構造的埋め込み)を考えるさい、組織がネットワークに埋め込まれるほど、業績や生存率にとってプラスのメリットがでてくるが、ある閾値を越えてネットワークが密になりすぎると、逆にデメリットが出てくるため、構造的埋め込みの度合いと組織の業績や生存率との関係は、上に凸の曲線になることを理論化しました。 Uzziによれば、組織を取り巻くネットワークが密になるにつれて、単独で市場活動をする場合には得られないメリットが出てきます。ネットワークでつながった他組織との高度な情報交換

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    yuiseki
    yuiseki 2011/03/03
  • 組織論におけるネットワーク分析の視角 - 人事組織の研究ブログ

    Zaheer, Gözübüyük & MILANOV (2010)は、組織論におけるネットワークの分析視角を、2者間(ダイアド)レベル、自己中心的(エゴ)レベル、ネットワーク全体のレベルに分類しています。ここでいうエゴというのは、自己中心的な性格という意味ではなく、特定の活動主体から見た、ネットワークの構造を意味しています。もっとも研究の多いのが、このエゴレベルです。ネットワーク理論では、活動主体が、ネットワークにどのようなかたちで埋め込まれているかがしばしば論点となりますが、ダイアドレベルの場合、それは関係的埋め込み(relational embeddedness)という概念で分析され、ネットワークの紐帯(つながり)の強さや信頼関係が問題になります。エゴレベルの場合、それは構造的埋め込み(structural embeddedness)という概念で分析され、ネットワークの密度や中心性と

    組織論におけるネットワーク分析の視角 - 人事組織の研究ブログ
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