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ブックマーク / note.com/planetary_gear (6)

  • ビデオゲームの異常な乱数、または私は如何にして心配するのを止めて歪んだダイスを愛するようになったか|遊星歯車機関

    文・murashit 新聞をにぎわせる恐怖が、確率を使って繰り返し語られる。その可能性があるのは、メルトダウン、癌、強盗、地震、核の冬、エイズ、地球温暖化、その他である。恐怖の対象は(たぶん)これらではなくて、実は確率そのものなのである。 イアン・ハッキング『偶然を飼いならす』わたしの目の前のディスプレイには、たしかに「90%」と表示されている。命中率だ、良さそうやね。じゃあ攻撃っと。……外れる。そういうこともある。運が悪かった。もういっぺん試してみよう。攻撃、と。……外れる。まあね、そういうこともある。えらく運が悪かっただけだ。もういっぺん試してみよう。攻撃……と。 外れる。なんやこのクソゲーは! もちろん冷静なあなたなら、1,000分の1程度のできごとなんてふつうに起こりうると知っているはずです。そういうこともある。だから「なんやこのクソゲーは!」と叫ぶわたしのことを、あざわらうのでし

    ビデオゲームの異常な乱数、または私は如何にして心配するのを止めて歪んだダイスを愛するようになったか|遊星歯車機関
  • In Other Watersにおける地図と領土:「ミニマップはクソ」は本当なのか?|遊星歯車機関

    文・murashit 西方の砂漠には、ずたずたに裂けた地図の残骸が今も残っているが、そこに住むものは獣と乞、国じゅうを探っても在るのは地図学の遺物だけだという。 J. L. ボルヘス「学問の厳密さについて」異星の海を舞台としたアドベンチャーゲーム──そう聞いて、あなたが思い浮かべる光景はなんでしょうか。 生命体はいますか? ソラリスみたいな。それよか、深淵から響く巨大生物の歌声、その影におぼえる畏怖の感覚、とか? あるいは乾ききった荒野を海と言い張ったっていい。いずれにせよ、頭のなかにはそれなりに壮大な光景が広がっているのではないか。 そうそう、こういうのだよね。(『Subnautica』(Unknown Worlds Entertainment, 2018)のコンセプトアートより)『In Other Waters』(Jump Over The Age, 2020)にそんな景色はありませ

    In Other Watersにおける地図と領土:「ミニマップはクソ」は本当なのか?|遊星歯車機関
  • 正解に三つの鐘が鳴る――プレイヤーを名探偵にするメカニクスについて|遊星歯車機関

    (文・千葉集) 謎は三つで、死は一つ。 プッチーニ『トゥーランドット』 若し探偵小説界に一人の芭蕉の出づるあらんか、あらゆる文學をしりへに、探偵小説が最高至上の王座につくこと、必ずしも不可能ではないからである。 江戸川乱歩「一人の芭蕉の問題」 解体には向かないジャンルSteamのライブラリからゲームを起動してわたしが操るのは、都市伝説解体センターの新人・福来あざみ。 この女、時はもうアンリアル・エンジンも第五世代という開化の時世であるが、粗めのドット絵で象られている。 彼女には捜査に行き詰まると脳内に住まわせているセンター長に泣きつく悪癖があり、今日もまたリモート勤務のセンター長を呼び出していた。 「なにか事件があったかい」 「まことに天下の大怪異で、SNSは大騒ぎ。わたしらも現場へとび、ジャスミンさんと証言集めをしとります」 いつもながらあざみの話は要領を得ないが、怪異とくれば例外だ。セ

    正解に三つの鐘が鳴る――プレイヤーを名探偵にするメカニクスについて|遊星歯車機関
  • Slay the Spireの子どもたち|遊星歯車機関

    文:xcloche 2026年3月6日、デッキ構築型ローグライクゲーム流行のきっかけとなった『Slay the Spire』の続編、『Slay the Spire 2』(Mega Crit Games, EA2026)が発売された。 無印である『Slay the Spire』(Mega Crit Games, EA2017, 正式版2019)から9年の時を経て発売された新作・Slay the Spire 2は、ナーフによるバランス調整や奇生カエルがキモすぎるなどで話題になりながらもSteam評価は圧倒的に好評、Slay the Spire 2のやりすぎで様子がおかしくなっている人を日々生み出し続けている。 リージェント、面白いよね。俺の虚無化セブンスターズを喰らえ。 が、ゲームメカニクス的な観点で見てみると、実は『Slay the Spire 2』は1と比べたときの変化点はあまりない。マル

    Slay the Spireの子どもたち|遊星歯車機関
  • 不可視の選択肢:なぜ働いていると国家を打倒できなくなるのか|遊星歯車機関

    文・佐久間真作 人間は物語でできている。わたしたちの記憶は、生きてきた一秒一秒の公平中立な蓄積ではない。さまざまな瞬間を選びとり、それらの部品から組み立てた物語(ナラティヴ)だ。 テッド・チャン「偽りのない事実、偽りのない気持ち」はじめにあなたの前には2人の女性が立っている。 一人はあなたの幼馴染で、明るく活発な彼女の笑顔からは力をもらえる。あなたの過去の大部分を共に過ごした存在だ。 一人は名家の令嬢で、控えめで自己主張が少ないながらも内面には芯がある。あなたの未来を大きく変える存在となるだろう。 どちらを花嫁にしたいか今すぐに選択しなければならない。 『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(エニックス, 1992)より引用 画像はAndroid・iOS版のものこのように、ストーリーのあるゲームにおいて選択は常にプレイヤーを悩ませる。プレイヤーの選択次第で、世界の命運が大きく変化することもあれ

    不可視の選択肢:なぜ働いていると国家を打倒できなくなるのか|遊星歯車機関
    yuiseki
    yuiseki 2026/02/14
  • コラム:テトリスの進化論━━快適な乱数とは何か?|遊星歯車機関

    文・xcloche 棒が来ないので負けました。 テトリスでゲームオーバーになったときの言い訳ナンバーワン。棒がくればもっと続けられたのに。棒、ほしいときに来なさすぎじゃない? テトリスは1984年にソビエト連邦で生まれた、誰もが知る元祖落ちものパズルゲームである。「最も多くのプラットフォームに移植されたビデオゲーム」としてギネス記録にも登録されている。おおよそどんなゲーム機でもテトリスができる。古くてめちゃくちゃ移植されているだけあって、1984年から今にかけてテトリスは静かに進化してきた。あんなゲームの何が進化できるのか? そう、棒が来るようになったのだ。 対戦のテトリス、ぷよぷよテトリス、バイオセンサーを取り付けて心拍に応じて変なピースが落ちてくるテトリス……テトリスの派生メカニズムは数知れずあるが、今回はそこには寄り道しない。これから語るのは、おなじみのあのテトリスの「ピースが落ちる

    コラム:テトリスの進化論━━快適な乱数とは何か?|遊星歯車機関
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