今年のSF作品は、ハヤカワ以外からの意外な掘り出し物が多くありました。 電撃大賞受賞作の『ひとつ海のパラスアテナ』は海洋SF+百合という組み合わせで好評を博しました。2巻以降は(主に百合方面で)パワーダウンしたという批判もありますが、電撃SFの新たな旗手として活躍する予感があります。野崎まど待望の新作『独創短編シリーズ 野粼まど劇場(笑)』では、タイポグラフィを駆使した短編に加え、なろうブームを皮肉った短編「お医者さんになろう」も。 ガガガ文庫の『あの夏、最後に見た打ち上げ花火は』は、ファミ通文庫から出ていそうなジュブナイル恋愛に時間SFの要素を振りかけた佳作。角川スニーカーからは、kindleで先行連載されていた『テスタメントシュピーゲル2』の書籍版が5年ぶりに発売されました。 キャラノベ/ソフトカバーラノベでは、『マレ・サカチのたったひとつの贈物』『螺旋時空のラビリンス』などの意欲作が