本書は世間に蔓延する生活保護バッシングへの反論書である。本書は生活保護受給者が楽をして金が入ってくるという通念の誤りを指摘する。生活保護受給者は「行政による人生の全面的掌握を要求されている」 今野晴貴『生活保護・知られざる恐怖の現場』(ちくま新書、2013年)は生活保護の過酷な実態を明らかにしたノンフィクションである。著者はブラック企業の告発で著名である。ブラック企業と生活保護は共に貧困と格差の問題である。 東急ハンズ過労死事件に際し、インターネット上で過労死批判者を生活保護受給者と決めつけ、生活保護バッシングをすることで東急ハンズのブラック企業体質を擁護する主張がなされた(林田力『東急不動産だまし売り裁判16脱法ハーブ宣伝屋』「東急ハンズの東京オリンピック便乗」)。このように生活保護バッシングとブラック企業擁護はリンクしている。 本書は世間に蔓延する生活保護バッシングへの反論書である。本
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