東京のリーダーを選ぶ都知事選は2024年7月7日投開票。選挙戦のニュースを通じて、1400万人が暮らす巨大都市のこれからを考えます。
過去最多の56人が名乗りを上げた七夕の首都決戦を制したのは、現職の小池百合子氏(71)だった。7日投開票の東京都知事選で、堅調に3回目の当選を決めた小池氏。街頭では批判的な聴衆のやじにも見舞われたが、子育て支援をはじめとする2期8年の実績を強調し、選挙戦を終始リードした。 当選確実の一報が流れると、東京都新宿区の小池百合子氏の事務所では、支援者の歓声が湧き起こった。 大きな拍手に包まれながら事務所に入った小池氏は「これまで経験したことのない選挙だった」と選挙戦を振り返り「都政の3期目のかじ取りを任せてもらった。しっかりと全身全霊で対応していきたい」と決意を述べた。 今回の選挙戦で小池氏は、政党の公認や推薦は受けなかったものの、自民党、公明党、国民民主党都連、地域政党「都民ファーストの会」の自主支援を受けた。水面下では自民都連が各種団体に支援を呼びかけ、小池氏も決起大会に顔を出すなどしたが、
東京都知事選で元立憲民主党参院議員の蓮舫氏の票が伸び悩み、立憲内に衝撃が走った。 「非常に厳しい結果になった。結果をしっかり分析した上で、次につなげていきたい」。立憲の大串博志選対委員長は7日夜、自民党などが支援した小池百合子氏の3選確実の報を受け、党本部で記者団にそう語った。 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を追い風に、4月の衆院3補欠選挙、5月の静岡県知事選などで連勝し、政権交代に向けて勢いに乗る立憲は、首都決戦では党内有数の知名度を誇る蓮舫氏を擁立。都知事選で現職に新人が勝った先例はなく、自民、公明両党が支援する現職の小池氏に仮に及ばなかったとしても「肉薄できれば意義のある結果になる」との読みがあった。 しかし蓮舫氏は終盤にかけて勢いを失い、小池氏との当選争いどころか、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏と2、3位を争う展開に。蓮舫氏の街頭演説などには多くの人が集まり続けていただけ
人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のコンサートをNHK交響楽団(N響)が5月に開くなど、長い伝統と豊かな音楽性を誇る国内外の名門オーケストラが近年、ゲームや映画の音楽を積極的に取り上げている。クラシック音楽ファンの高齢化が進む中、新たなファン層の獲得を図る狙いがあるだけでなく、芸術的な視点で作品を再評価する動きが進んでいる。これまで縁遠いと思われがちだったクラシック音楽界と、ゲーム・映画音楽が接近している背景を探った。【須藤唯哉】 チケット、1週間で完売 日本を代表するオーケストラのN響と、伝説的なロールプレーイングゲーム(RPG)のドラクエの組み合わせは大きな注目を集め、チケットは発売から約1週間で完売。反響は収まらず、当日会場に入れない人々の要望に応え、オンラインでの配信も実施した。 5月6日、東京・池袋の東京芸術劇場で開かれた「ドラゴンクエスト・コンサート」は、従来の演奏会とはひと味違っ
木造復元に向けて入場禁止となる日を前に、大勢の「駆け込み来場者」でにぎわった名古屋城天守閣=名古屋市中区で2018年5月5日午後2時23分、兵藤公治撮影 「テーマパークにする気はない」 名古屋市の河村たかし市長が肝いりで進めている名古屋城天守閣の木造復元事業。市はバリアフリー対策として車いす使用者が乗れる小型昇降機を設置する方針を打ち出している。どの階まで昇れるかが焦点となる中、河村市長は毎日新聞の取材に「名古屋城は文化財。テーマパークにする気はない」と述べ、障害者団体が要望する最上階までの設置を明確に否定した。 名古屋城天守閣は5層の屋根を有する「5層5階地下1階」の建造物。市は「地上から天守1階まで」を最低条件として小型昇降機を設置し、市民の意見を聞きながら、さらに上層階まで昇れるかどうか検討を進めている。
女性のトップ就任が相次いでいる。田村智子・共産党委員長、鳥取三津子・日本航空社長、渕上玲子・日本弁護士連合会会長……。しかし、ジェンダー平等の実感はまだまだ乏しい。目を向けたいのが、夫婦同姓などの根拠とされる「伝統的家族観」だ。日本中世史を専門とする本郷和人・東京大史料編纂所教授に尋ねた。「伝統的家族観って本当なんですか」【聞き手・鈴木直】 男女の関係、大きく変化 ――相次ぐ女性トップ誕生を日本史研究者としてどう見ていますか。 ◆日本史上、特筆すべき出来事だと言ってよいと思います。だって、ほんの数十年前まで、「女性は家にいて、旦那の世話をしなさい」と言われていたんですから。 40年くらい前、私が学生だったころは、東大を卒業しても専業主婦になる人が結構いました。今は東大も、女子学生が学びやすい環境を整えようと、家賃を補助したり、女性教員を増やそうとしたりしています。 家族のあり方も含めて男性
信頼――。2月13日に開かれた東京電力ホールディングス(HD)取締役会の諮問機関「原子力改革監視委員会」の会合で、委員から繰り返し出た言葉だ。リスクコミュニケーションに詳しい西澤真理子委員(リテラジャパン代表)は「安全性を向上させて信頼を得ることと、それを動かす人や組織に対する信頼は違う。まさに東電はそこの状況にいる」と述べ、組織・東電としての信頼の重要性を指摘した。 【関連記事】 原発の信を問う新潟県知事、覚悟と周囲の思惑 かつての花形、担い手はどこに? 学生離れ デール・クライン委員長(元米原子力規制委員会委員長)も「まずはミスを犯さないことと、何かがあったときに迅速に情報発信することだ。信頼というのは勝ち取るのは難しいが、失うのは一瞬だ。東電は常に信頼を醸成する取り組みを続けなければならない」とクギを刺した。東電も「今年は当社への信頼がこれまで以上に大切な年になる」(東電HD会長の小
「性教育団体『いのちの授業』ここいく」に寄せられた子どもたちからの感想文を見る代表の中村暁子さん(左)と古川明美さん=岐阜県各務原市で2024年3月3日午後5時19分、田中理知撮影 その日、授業を行う小学校からの要望は「性交については扱わないでほしい」だった。 岐阜県各務原市の市民団体「性教育団体『いのちの授業』ここいく」が訪問先からこうした要望を受けることは珍しくはない。いつも通り、模型などを使って体の仕組み、生理や射精、妊娠、出産について触れたが、性交は教えなかった。でも授業後、子どもたちからは疑問の声が上がった。「赤ちゃんはどこから来るの?」 ここいくは、2010年に中村暁子さん(54)ら子育て中の母親が中心になって設立した。性に関する真偽不明の情報がインターネット上であふれる中、子どもに正確な知識を伝えたいとの思いからだった。助産師でもある中村さんは、望まない妊娠をする女性と接する
「イオンシネマシアタス調布」公式サイト(https://www.aeoncinema.com/cinema/chofu/)から シネコン「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社は16日、映画館の利用者に従業員が不適切な対応をしたとして公式サイトで謝罪した。 多くのテレビ番組に出演し、YouTube、講演活動など幅広く活動している車いすインフルエンサー・中嶋涼子さんが15日、自身のX(旧ツイッター)に、イオンシネマで映画を観賞した際の出来事を投稿。これまでは「一人で見に行って映画館の人が手伝ってくれてた」が、この日は観賞後に従業員から「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか」と言われたという。 中嶋さんは「なんでいきなりダメに
米連邦最高裁は15日、公務員がソーシャルメディア(SNS)の自身のアカウントで公務に関して発信した場合、他の利用者を「ブロック」し、コメントを制限するのは違憲になる可能性があるとの判断を示した。違憲性の判断は、公務員の職務権限や発信内容によるとしたが、「公私の境界があいまいなアカウントで、公的な発言なのか、私的な発言なのかを区別するのは難しい」とも指摘した。 中西部ミシガン州や西部カリフォルニア州の公務員が、自身のフェイスブックやX(ツイッター)のアカウントで、公務に批判的な利用者のコメントを制限したことを巡って、制限された利用者が「表現の自由を保障する憲法修正第1条に違反する」として提訴していた。
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