講談社が展開する『プロジェクト・アマテラス』は、「作者・読者・編集者がともに作品をつくる」をコンセプトに据え、さまざまな作品やアイデアを広く募集し、みんなで育てていくプラットフォーム。その狙いについて、担当の唐木厚さんに聞いた。 ――プロジェクト・アマテラスが好調ですね。 唐木 プロジェクトのスタートに当たって、宣伝費は一切使いませんでしたが、予想を上回るアクセス、投稿が続いています。うれしい誤算です。 ――スタートのきっかけは? 唐木 私たち編集者の危機感が強まったことがあります。私は長らく小説の編集者を務めていましたが、そこで気づいたのが、いわゆる投稿サイト出身の作家たちに会ってみると、従来なら出版社に原稿を持ち込んでいたはずの人たちと変わらないということなんです。ネットで作品を投稿する人たちは、これまでとはまったく異なる新世代作家というわけでは決してありません。だとすれば、新人賞