先週,7000語もの長文で,『技術革新と不平等の1000年史』書評を書いた.同書では,AI による自動化で中流階級が一掃されそうだと主張されている.この主張をうまく立証でいているとは,ぼくは思わない.ただ,AI によって中流階級が空洞化する可能性は除外できないのも事実だ.そういうことは起きるかもしれない. それでも,この点について希望をもつ理由はあると思ってる.生成 AI に関していろんな実験を経済学者たちがやりはじめるやいなや,信じられないほど一貫したパターンが見出されている:AI によって,高技能労働者と低技能労働者の生産性格差が狭まるというパターンだ.これは,去年の記事で指摘した: たとえば,Brynjolfsson, Li, & Raymond による新論文を見てみよう.この研究では,AI ツールが顧客サポート労働者の生産性におよぼす効果を計測している.(…)AI ツールは技能が高
![ノア・スミス「今週の小ネタ: 実は,AI が中流階級の再興の助けになるかも」(2024年2月28日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/161002d0215b18365c232976adabaec7159a69f2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fi0.wp.com%2Fecon101.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2024%2F02%2FOIG4-1.jpg%3Ffit%3D1024%252C1024%26ssl%3D1)