アストロバイオロジー(宇宙生物学)というのは、一般には馴染みのない研究領域かもしれない。決して宇宙人を探そうという話ではなく(もちろん宇宙人が目の前にいれば、アストロバイオロジストは研究対象にしたがるだろうが)、生命の起源を知るため、地球の枠を外した探究をする一連の研究、というイメージか。興味のある方は、横浜国立大学の小林憲正教授による『アストロバイオロジー・宇宙が語る“生命の起源”』(岩波 科学ライブラリー)をお奨めする。堀川さんも同意見。 ちなみに、アストロバイオロジーという研究の枠組みを提唱したのはアメリカのNASAで、1995年のことだという。いわく「地球、および地球外での生命の起源・進化・分布・未来、を研究する学問領域」。クマムシは、十中八九、というかほぼ100%、地球起源でありながら、極限状態の宇宙に「分布」可能かもしれない耐性を持った動物の筆頭として、アストロバイオロジーの興