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  • 薬売りの物語: 幕末に翻弄された庶民の明治維新 #歴史小説 - ことばを食する

    歴史小説の主人公は概ね、名を知られた武将たちです。戦国大名や軍師たち、幕末から維新にかけてであれば近代への扉を開いた志士たち。ところが「潮音」(宮輝、全4巻、文藝春秋)は、越中富山の一人の薬売りが主役です。 幕末に生まれた薬売りが、老いて自らの生涯をふり返る物語です。時代に翻弄された庶民の目に映る動乱と明治維新。うねる歴史と市井の人びとの暮らしが等身大に描き出されて、大河のように流れます。10年にわたって「文学界」に連載された大長編。 それにしてもなぜ、江戸でも京でも、薩摩でも長州でもない、越中富山の薬売りなのか。 ペリーの黒船来航の少し前まで、九州の端に位置する薩摩は巨額の赤字に悩む貧乏藩でした。関ヶ原では石田三成の西軍に加わった外様大名。幕府からも警戒、冷遇されてきた貧乏藩が、幕末に至って突如、領内に西洋技術を導入した製鉄所を建設し、強力な軍事力を整備して討幕の主役に躍り出ました。

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  • 神とは何か - ことばを食する

    祖母だったかほかのだれかだったか、確かな記憶はないけれど、子どものころこう言われました。 「隠れて悪さをしても、ののさまは見ていらっしゃる」 仏様のことを、わたしが暮らす地方では子ども言葉で「ののさま」と呼びます。「見ている人がいないからといって、悪いことをしてはいけません。仏様は全てご存知です」と、諌められたのです。 ませた子だったからか、真に受けませんでしたが、以来、何かよからぬことを考えると、どこか上の方から人を超えた眼に見つめられている気がしたものです。ののさまとは、どんな方なのか。毎日仏壇に蝋燭を灯し、お経を読む祖母のイメージが浮かびました。最初で、たぶん最後の、ささやかな宗教体験です。 学生時代に親しくなった女性は、カトリックのキリスト教徒でした。聡明で才能ある人だったけれど、わたしはついに彼女を理解することをあきらめました。誰かを分かろうとするとき、自分をその人の立場に置いて

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  • 『灯台へ』を読む - Costa Rica 307

    ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を鴻巣友季子の訳で読んだ。それについて書く。 作の中心にいるのはラムジー夫人である。彼女は愛の化身として、すべての登場人物を心理的に包み込んでいる。しかし二部で彼女は死に、三部はラムジー夫人がいないまま話が進行していく。 『百年の孤独』や『豊饒の海』においては主人公が死んでも交代が起こり、別の主人公が中心になって話が進行していく。それに対して『灯台へ』においてはそういうことは起きない。ラムジー夫人が死んだあとは最後まで主人公が不在のままである。中心が空(から)であるということがこの作品の特徴であると言える。もう少し踏み込んで言うと、普通の作品は中心が「有」であり、中心が各部に力を作用させることで全体の統合が取れるのだが、この作品の三部は中心が「無」なのである。そこでは各部が中心を左右から押し合うことで、全体の統合がとれる。ある力が存在すると、それとは逆を向

    『灯台へ』を読む - Costa Rica 307
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    yukimatsumoto8181 2024/10/24
    第一部のラストの晩餐シーンが圧巻でした。
  • この迷宮におそらく解答はない 〜「箱男」安部公房 - ことばを食する

    6月中旬にして今日は真夏日の予報。朝から冷房の効いた喫茶店に逃避し、モーニングセットをべ、いまノートPCを開いてこれを書き始めました。 このところ、読了したはそれなりにあっても、ブログに書くのが億劫になっています。理由は単純で、油彩で風景の大作に着手して、時間とエネルギーをそっちに持っていかれるから。でも、たまには何か書いておかないと...ということで。 「箱男」(安部公房、新潮文庫)は、斬新で難解な安部作品の中でも、ひときわ手の込んだ迷宮のような小説です。読み進むほど<?>が積み重なり、登場人物の行動や思考、言葉に違和感を覚えながら、しかし読むのをやめられませんでした。 箱男は、名称通り大きな段ボール箱をすっぽり被り、くりぬいた窓から外を見て生きています。かつては普通の社会生活を送っていたけれど、段ボール箱に籠ることで家も仕事も捨て、その姿で街中をうろついて生きる、匿名性の中に引きこ

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  • 1055. 落下の解剖学 - 無人島シネマ

    念願の昭和館に行ってきた 博多から「こだま」に乗り換えて小倉まで行き、駅から10分ほど歩くと見えてくる、九州で最も古い(昭和14年から存在する)ミニシアター 昭和館のすぐ近くにある旦過市場は、2022年の4月に、そしてわずか4か月後の8月にも、火災に見舞われている 昭和館は、4月の火災からは逃れられたものの、8月の火災で焼失し、現在あるのは昭和館を愛する多くの人の援助もあって再建されたもの 新しい建物なのに、長く愛されてきた映画館であることがよくわかる佇まい 館内にも憩いの場があったり、席もスクリーンとの角度などがよく考えられていて、当に素晴らしい映画館 再建までの過程については、三代目館主の樋口智巳さんが書かれた「映画館を再生します。」に詳しく書かれています さて、肝心の映画の方は、大好きなザンドラ・ヒュラー主演の「落下の解剖学」 原題「Anatomie d'une chute」(邦題

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    yukimatsumoto8181
    yukimatsumoto8181 2024/06/23
    夫婦喧嘩のシーンがとても印象に残っています。
  • フランソワ・トリュフォー『ピアニストを撃て』(1960/仏) - 海外文学読書録

    ピアニストを撃て(字幕版) シャルル・アズナヴール Amazon ★★ パリ。場末のカフェでピアノを弾くシャルリ(シャルル・アズナヴール)の正体はアルメニアの天才ピアニストだった。今は名前を変えて生活している。ある日、彼の元に兄のシコ(アルベール・レミー)がやってくる。シコは2人組のギャングに追われていた。シャルリはカフェの裏口からシコを逃す。一方、シャルリは女給のレナ(マリー・デュボワ)といい仲になり……。 原作はデイビッド・グーディス『ピアニストを撃て』【Amazon】。 フィルム・ノワールへのオマージュらしい。全体的にぎこちなくて見ていて困惑した。特にダイアローグの面白さに比べるとモノローグはつまらなく、両者のギャップは何なのだろうと首を傾げてしまう。モノローグは小説の地の文を思わせるところがあり、映画という外面的なメディアとい合わせが悪い。たびたび入るモノローグによってそれまでの

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  • 『死亡記事を読む / 諸岡達一』(新潮新書)を読んだ感想 - 世界のねじを巻くブログ

    訃報の裏側を知る 諸岡達一という死亡記事専門家の『死亡記事を読む』を読み終えた。 個人的に印象に残った部分をいくつかまとめていこうかなと。 死亡記事は、新聞の紙面割で言えば、おおかた社会面の最下段に載っている。小さい記事ではあるが実は読み応えがある。いや、ありすぎる。さまざまな情報が書きこまれており、仔細に行間まで読み込むと、意外な事実が現われてくるからだ。 位置55 死亡記事で注目すべきは、各紙によって扱いが大きく異なるコトだ。その死した人物への価値判断が紙面に如実に表れるのである。訃報を取り扱う新聞社の(とっさの)態度は興味深い。さらに死亡記事からは、現代性・社会性の濃淡を垣間見ることもできる。 具体的な死亡記事でいうと、 中埜又左エ門氏(なかの・またざえもん=ミツカングループ社社長) の死亡記事から、落語家や、美空ひばりさん、 寅さん役をしていた渥美清さん、 オードリーヘップバー

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  • 【必見】ウブド王宮でバリ舞踊を鑑賞しよう!(良い席はこうして確保する) - siam manao-life

    こんにちは、まなおです。 今日は、バリ島のウブドで鑑賞した伝統舞踊について紹介します。 夜毎ウブド王宮の中で行われるバリ舞踊ショーは、雰囲気も抜群で幻想的です。 私はとても感動して、2夜連続でレゴンダンスを鑑賞してしまったほど。 民族舞踊や伝統音楽に興味がある方はもちろん、興味のない方も一度はご覧になることをおすすめします! チケットの入手方法や良い席の確保の仕方なんかについても書いておきますので、ぜひご一読ください。 バリ島の伝統舞踊 チケットの入手方法 ベストポジションの席はここ! 椅子席の正面一番前 もうひとつのベスト席 レゴンダンスの演目一覧 おわりに バリ島の伝統舞踊 バリ舞踊は、ユネスコの無形文化遺産にも登録(2015年)されており、来はヒンドゥー教の神々に奉納する儀礼的意味合いの強いものですが、一部は観光客向けにもアレンジされ公開されています。 あの目を見開いて顔を左右に揺

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  • 【ワット・チャーン・ヤイ】メートラニー(降魔成道図)が本尊の後ろにあるお寺を訪ねて(2) - siam manao-life

    前回、いや前々回に引き続き、大地の女神メートラニーが描かれた降魔成道図が主仏陀像(尊)の後ろの壁にあるお寺訪問の記事です。 今回は、アユタヤーにあるワット・チャーン・ヤイ(วัดช้างใหญ่)というお寺をお参りしてきました。 アユタヤの洪水 ワット・チャーン・ヤイ 布薩堂拝観 ルアン・ポー・トーの礼拝堂(旧布薩堂) メートラニーと降魔成道図 三界経(トライプーム)須弥山図 側面の壁画 赤い口の仏像 寺院情報 アユタヤの洪水 実はその日、ワット・チャーン・ヤイ寺院へ行く前に、もうひとつのお寺へ向かっていたのです。 そこは、お釈迦さまが棺の中から足をにょきっとお出しになったお姿の珍しい仏像が安置されているお寺で、以前から拝観したいと思っていたのです。 バンコクから80キロ、1時間半かけて向かったのですが・・・ お寺にたどり着いたら、まるでお堀のようにお堂がすっぽりと水に囲まれていました。

    【ワット・チャーン・ヤイ】メートラニー(降魔成道図)が本尊の後ろにあるお寺を訪ねて(2) - siam manao-life
  • 壁扉画が美しいペッチャブリーの古刹「ワット・ヤイ・スワンナーラーム」と洞窟寺 - siam manao-life

    前回に引き続き、ペッチャブリーにあるアユタヤー時代に建てられた古いお寺を紹介します。 ペッチャブリーでアユタヤー時代の壁画が残る数少ないお寺のひとつということで訪問したのですが、布薩堂(堂)の木の扉に描かれた見事な絵や美しい木造の講堂など、他にも見どころがたくさんの良いお寺でした。 前回紹介した、壁画が超絶カッコいいお寺「ワット・コ」の記事はこちらです。 www.manao.life それからもうひとつ、国道沿いにひょっこり現れる小さな山の洞窟にあるお寺にも立ち寄りましたので、よかったらお読みください。 カオヨーイ洞窟 古い家と蓮一輪 ぶっかけご飯の朝 名刹「ワット・ヤイ・スワンナーラーム」寺院 布薩堂の壁画・扉の板絵 チーク材の美しい講堂 寺院情報 カオヨーイ洞窟 バンコクからタイ南部に向かう幹線道路といえば、国道4号線。 この4号線を走り、ペッチャブリー県に入ってすぐのあたりにひょ

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  • 107回目「最後の将軍~徳川慶喜~」(司馬遼太郎:文春文庫) - 日々の読書日記

    龍馬とか新選組が好きな人はけっこういるが、「徳川慶喜が好き」という人には出会ったことがない。よく耳にする「好きな歴史上の人物は?」といった質問に徳川慶喜を一番目に挙げる人は稀な気がする。日を近代化に導いた立役者の一人であることは間違いないのに、なぜこうも不人気なのだろう?(自分の周りだけかもしれませんが…)やはり、戊辰戦争で幕府のために戦っている仲間を裏切って自分だけ逃げた将軍のイメージが強いからだろうか。しかし、それには慶喜なりの理由があって、…というのは、書『最後の将軍』を読めばよく分かる。だから、ここでは説明しない。弱腰とか口だけとか無責任とか敵前逃亡とか色々言われているが、実は自分は慶喜がけっこう好きなのだ。 自分の好きなタイプに「能力は高いけど、やる気がない人」というのがある。この「やる気がない」という部分が重要なのである。慶喜は、その典型である。「将軍なんてやりたくない

    107回目「最後の将軍~徳川慶喜~」(司馬遼太郎:文春文庫) - 日々の読書日記
    yukimatsumoto8181
    yukimatsumoto8181 2022/10/04
    nmukkun様コメントありがとうございます!
  • テッド・ジョイアの「音楽産業未来予測20」で印象に残ったこと - 世界のねじを巻くブログ

    Ted Gioiaによる音楽業界の予言 ジャズ批評家として有名なテッドジョイア氏によって、 NewMusicboxというアメリカのWebマガジンに投稿された音楽産業の未来予測が かなり興味深かったので、印象に残った部分を軽く翻訳してみました。 (以前紹介した記事も面白いのでぜひ) ・「音楽の未来に関する12の予測」テッド・ジョイアの文章で印象に残ったこと - 音の壁ラジオ ・シリコンバレーの大手企業が、量子コンピューティング技術により"次のベートーベン"を生み出したしたと発表する。 →こういうの昔からありますよね。そろそろ完璧に近いものが出てきても驚かないな。 ・ウェブプラットフォームがレコードレーベルを破壊し、新しいアーティストがキャリアを伸ばすという役割を果たさなくなる。 →収益を奪われるレコード会社にわざわざ所属する意味って・・・となりそう。 PVのあるウェブプラットフォームにちょっ

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  • アンリ・シャリエール『パピヨン』(1969) - 海外文学読書録

    パピヨン 上 (河出文庫) 作者:H・シャリエール 河出書房新社 Amazon ★★★ 1931年。25歳のやくざ者パピヨンが無実の罪で終身刑を言い渡される。彼は仏領ギアナの流刑地に送られることになった。1933年。パピヨンは仲間と共に脱走する。一行はトリニダッドを経てコロンビアにたどり着くが……。 「あんたは何を文明と呼ぶのですか、署長」と私はたずねた。「あんたは、エレベーターや飛行機や地下鉄があるから、フランス人は、おれたちを迎え入れて看病してくれたこの人たちよりも文明がすすんでいることの証拠になると思っているのですか。おれみたいな者の意見だけれども、自然のなかで、たしかに機械文明の恩恵は一切欠いているけれども、こうして素朴に生きているこの村の一人ひとりのなかにこそ、人間らしい文明も、心だてのりっぱさも、他人の心が分る力も、一そう多くあるのだ、ということを知って下さい。進歩の恩恵にはあ

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  • GWの目標、カラマーゾフの兄弟を読む - 読書家になりたい

    ずっと読みたいというか、色々なところでおすすめされていてもう「読まなければ」という感覚になっているです。 けれど、長すぎたり、内容頭に入ってこなくて何回も挫折しています。 カラマーゾフの兄弟 (上)(中)(下)巻セット 新潮社 Amazon なぜ読みたいのか 「東大教師が新入生にすすめる第1位」だそうです。 帯裏にもこんな紹介文があります。 特に「大審問官」はスゴイ。生を生きなおすようなすごい経験を請けあおう。・・・スゴイは沢山あるけれど、頂点はこれ。・・・未読の方は四の五の言わずに読め(命令形)。最強の読書体験を約束する。(ブログ「わたしが知らないスゴは、きっとあなたが読んでいる」より) ここまで言い切られたら、気にならずにはいられないです。 ただ、単純に2千ページ以上ありますし、翻訳による独特な言い回しで言葉がすんなり入ってきません。 Twitterのフォロワーさんに教えてもら

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  • 金閣寺 感想 - 読書家になりたい

    金閣寺 (新潮文庫) 作者:三島 由紀夫 新潮社 Amazon 評価 ★★★★★ あらすじ 物語の主人公「溝口」は、幼い頃から父親に「金閣寺はこの世で一番美しいもの」と聞かされ、金閣を美の象徴と思うようになる。 また、溝口は吃音持ちで周りから馬鹿にされていたため、引っ込み思案な性格であった。 「美しい金閣寺」と「醜い自分」に隔たりを感じていた。 美がたしかにそこに存在しているならば、私という存在は、美から疎外されたものだ。 時は戦時中であり、空襲によって金閣も自分も同時に消えてなくなるのだと、共に滅んでいくことを期待する溝口。 しかし、戦争が終わっても金閣が燃えることはなく、溝口も生き残る。 『金閣と私との関係は絶たれたんだ』と私は考えた。『これで私と金閣とが同じ世界に住んでいるという夢想は崩れた。またもとの、もとよりももっと望みのない事態がはじまる。美がそこにおり、私はこちらにいるという

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  • 深夜特急1 感想 - 読書家になりたい

    深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】 作者:沢木耕太郎 新潮社 Amazon ある朝、眼を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ。 評価 ★★★★ あらすじ・概要 「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい」。 ある日そう思い立った著者の、ノンフィクション紀行小説。 全6巻で、1巻ではインドに行くまでに寄り道をした香港、マカオでの様子が書かれています。 感想 「自分にはとてもできそうにないけど、旅っていいな」。 率直にそう思いました。 行き先だけ決めて、途中何をするかとか、止まる場所とか決めない、行き当たりばったりの完全な自由旅。 今なら色々整備されたり、スマホがあるからもっと手軽だとは思いますが、当時は全然整備されてない国もあっただろうし、実際よく知らない相手に紹介された宿に泊まるハラハラした場面もありました。 それに

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  • 「小説8050」(林真理子)を読んだ - 読書家になりたい

    小説8050 作者:林真理子 新潮社 Amazon あらすじ(公式サイトより) 従順なと優秀な娘にめぐまれ、不自由のない人生を送っているように見える大澤正樹には秘密がある。有名中学に合格し、医師を目指していたはずの長男の翔太が、七年間も部屋に引きこもったままなのだ。夜中に家中を徘徊する黒い影。次は、窓ガラスでなく自分が壊される――。 ひきこもりを抱える親の話 最初にタイトルだけ見て、8050やひきこもりの問題を扱いながら「ひきこもり当事者が悩みながらも再起していく話」かと想像していましたが、それとは少し異なったものでした。 8050の末路を目の当たりにして危機感を募らせた「5020世代の親が、中学でのいじめを機にひきこもる長男に向き合っていく話」です。 それに、ひきこもりの原因もいろいろありますが、特にいじめ問題に焦点を当てたものでした。 親の葛藤 引きこもりと縁のない子どもを持つ親は、

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  • 映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』コロナ禍の今こそ観ておきたい - みみブログ

    引用元:IMDb 第69回カンヌ国際映画祭、パルムドール受賞作品。 2016年製作/100分/G/イギリス・フランス・ベルギー合作 あらすじ イギリス北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク。心臓に病を患ったダニエルは、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けようとしたが、複雑な制度のため満足な援助を受けることができないでいた。シングルマザーのケイティと2人の子どもの家族を助けたことから、ケイティの家族と絆を深めていくダニエル。しかし、そんなダニエルとケイティたちは、厳しい現実によって追い詰められていく。 引用元:映画com. コロナ禍の今と重なる社会の縮図 フードバンクでの一幕 映画が届けたメッセージ コロナ禍の今と重なる社会の縮図 引用元:IMDb映画かも知れない。 結末も釈然としない思いに駆られる。 何せイギリスの巨匠ケン・ローチ監督作品だ。これまで社会的弱者

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  • 35回目「マティアス&マキシム」(グザヴィエ・ドラン監督) - 日々の読書日記

    タイトルの通り、マティアスとマキシムの二人の恋愛映画だ。二人は男性なので、ボーイズ・ラブの映画である。まず一つ不満がある。劇中では「マティアス」「マキシム」というタイトルに使われている名前では、両者ともあまり呼ばれない。「マット」「マックス」と呼ばれる。髭を生やした彫の深い顔立ちの男性がマットで、顔にアザがある男性がマックスである。 自分は外国映画を観るとき、何故か、なかなか登場人物の顔と名前が一致しない。レビューを書くにあたり、これでは問題があるので、登場人物の名前が出てきた時点で、「こいつは○○」と頭の中で3回ほど復唱して覚えるようにしている。それでも覚えにくい場合は、その人物の見た目と関連付けて覚える。今回の場合だと、髭が生えている方がマットなので「ヒゲマット」、アザがあるほうがマックスなので「アザマックス」などと勝手に名称付けて覚えた。だからそれで統一してくれればよかったのに、途

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  • 映画レビュー『コンフィデンスマンJP プリンセス編』田中亮監督 華麗に騙される爽快感

    インドア系のエンターテインメント(映画音楽テレビ番組、ゲーム)に関する レビューやコラムを発表していきます。コメントなど、お気軽にどうぞ。 管理人:いっき82(はちじゅうに) '82年生まれ(♂) 【映画パンフレット】コンフィデンスマンJP プリンセス編 キャスト 田中亮 長澤まさみ、東出昌大、小手伸也、小日向文世、織田梨沙、関水渚、瀧川英次、前田敦子、ビビアン・スー、 2020年7月公開 監督:田中亮 出演:長澤まさみ、東出昌大、小手伸也 配給:東宝 【おすすめポイント】 ・ダー子とジェシーの社交ダンス ・騙される爽快感 ・世代の枠を超えたスターたちの豪華共演 ダー子とジェシーの社交ダンス 2018年に連ドラとして放送されていた 『コンフィデンスマンJP』は、 古沢良太が脚を手掛けているということで、 (筆者が好きだったドラマ『リーガル・ハイ』の脚家) 注目はしていたものの、

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