小学生の時『名探偵コナン』の「推理ガチ勢」だった。 被害者の死因、死亡推定時刻、現場の状況、容疑者の名前と職業、被害者との関係性をすべて把握し、犯人が誰かコナンの目線に立って全力で推理した。おかげでコナンが小五郎を眠らせる前にはだいたい犯人がわかってた。コナンよりも早くドヤ顔をすることが生きがいだった。俺にはネクストコナンズヒントなんて必要なかった。名探偵コナンという作品の「事件」「推理」の部分にだけ、のめり込んでいった。 そういうガチの「ミステリーもの」として名探偵コナンを楽しんでいた俺に、突然吹いた風。それが「灰原哀」だった。 あれは忘れもしない1999年、小学4年。第129話『黒の組織から来た女 大学教授殺人事件』。あの衝撃は今でも忘れられない。 あの頃の俺は完全に「江戸川コナンそのもの」だったので、小学校が退屈でしょうがなかった。突然、転校生として現れた彼女は「チッ、ま〜たガキども