(注:この記事は名称変更前の記事となります。史事の記述であるため、メカウーサー及びメカウーサー将棋の記述は、メカ将棋と改めず、そのままと致しました。 kimrin) 巷ではコンピュータ将棋選手権の決勝が明日行われますが、メカウーサー将棋的には今年は既に終わっているので(ぉぃ いままでexplicitに書いていなかったメカウーサー将棋の変遷について簡単に触れたいと思います。
まずは一冊の本を紹介するところからこの稿をはじめることにしよう。本の名は「完全なるチェス・天才ボビーフィッシャーの生涯」(文芸春秋刊、フランクブレイディ著、佐藤耕士訳)。本書は、アメリカのチェスの大天才故ボビーフィッシャーの生涯を略しく書いた本である。この人、天才と何とやらは紙一重のことば通り、完全な人格破綻者であった(この本を読めば必ず意味が分ります)。 なぜ一見電王戦と関係のないと思える本の紹介から入ったかというと、フィッシャーという人が、チェスにおいてコンピュータが人間に勝った歴史におおきくかかわっているからである。 今から五十年前、1960年代にチェスは完全にソ連の独壇場であった。アメリカはじめ他の国はソ連に対し太刀打ちできず歯がゆい思いをさせられていた。そこにアメリカで、ほぼ独学で(ソ連のエリート選手に比べればというはなしだが)世界レベルまで強くなったフィッシャーが突然出てきた。
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