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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (15)

  • 面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(前編)

    お薦めの世界史のについて、3人で2時間語り合った。 世界史を学びなおす最適な入門書や、ニュースの見方が変わってしまうような一冊、さらには、歴史を語る意味や方法といったメタ歴史まで、脚家タケハルさん、文学系Youtuberスケザネさん、そして私ことDainが、熱く語り合った。 全文はyoutubeで公開しているが、2時間超となんせ長い。なのでここでは、そこから厳選して紹介する。 因果関係を補完する『詳説 世界史研究』 スケザネ:大学生、あるいは社会人の方々にも、世界史を学ぶには、まず真っ先に「高校世界史」をオススメしたいです。世界の歴史を幅広く知るという観点から、高校世界史はベストだと思います。 代表的な高校世界史の教科書は、山川出版社の『詳説 世界史B』。世界史の概観が400ページぐらいにまとめられてて良いなんですが、これだけだと記述が簡素で、理解するには少ししんどい。 実際、自分が

    面白い世界史の本を3人で2時間お薦めしあった中から厳選した12冊(前編)
  • この本がスゴい!2021

    「後で読む」は、あとで読まない。 「後で読む」は、あとで読まない。 「試験が終わったら」「今度の連休に」「年末年始は」と言い訳して、結局読まなかった。「定年になったら読書三昧」も嘘になるだろう。そもそも、コロナ禍で増えた一人の時間、読書に充てたか?(反語) だから「いま」読む。 たとえ一頁でも一行でも、目の前の一冊に向き合う。いま元気でも、一週間後には、読めなくなるかもしれないから。 今年は、死を意識した一年でもあった。「やりたいこと」を先延ばしにしてるうちに、感染して望みが断たれる可能性が爆上がりした。 時の経つのは早い。人生が長いほど、一年は短くなる。体感時間は加速する一方、人生の可処分時間は、短くなる。 だから「いま」読む。 積読を自嘲したりマウント取るのもヤメだ。いま読まない理由を並べ立てて開き直る不毛も捨てよう。そして、ずっと取っておいた、とっておきのを、いま読む。 そんなつも

    この本がスゴい!2021
  • この本がスゴい!2020

    今年の一年早くない? トシ取るほど時の流れを早く感じるのは知ってるけど、今年は特に、あっというま感がすごい。恒例のこの記事、もう書くの!? と思ってる。 毎年、「人生は短く、読むは多い」と能書き垂れるが、今年は、「人生は加速的に短く、読むは指数的に多い」と変えておこう。 そして、昨年と比べると、世界はずいぶん変わってしまった。 基的に外に出ない、人と会わないが普通になり、マスク装備が日常になった。オフ会や読書会でお薦めしあった日々は過去になり、代わりにZoomやチャットでの交流が増えた。 ポジティブに考えると、そのおかげで、読み幅がさらに広がった。わたし一人のアンテナでは、絶対に探せない、でも素晴らしい小説やノンフィクションに出会うことができた。お薦めしていただいた方、つぶやいた方には、感謝しかない。 さらに、今年はを出した。 ブログのタイトルと同じく、[わたしが知らないスゴは、

    この本がスゴい!2020
  • コピーが経済を回す『パクリ経済』

    結論を一言にすると、「イミテーションはイノベーションを加速する」。 模倣が創造を促すといえばその通りだろう。だが、世間一般の通念は違う。音楽や映像、書籍や製薬などの業界を見る限り、著作権や特許権でコピー禁止の「常識」が形作られている。クリエイターの努力が簡単にコピーしていいのなら、誰もわざわざ新しいものを創ろうとしなくなり、最終的にはその産業が壊滅してしまうという懸念が背景にある。 書はこの「常識」に異議申し立てをするものだ。ファッション、アメフト、料理、金融、音楽といった分野に目を向け、コピーがイノベーションを促進しているだけでなく、成長の鍵となっている証拠を次々と指摘する。この事例が面白い。単なる反証ではなく、それぞれの歴史的経緯を踏まえながら、どのように折り合いをつけてきたかを解き明かす。 たとえばファッション。メジャーブランドが新作を発表すると、すぐさま模造品が出回るが、そうした

    コピーが経済を回す『パクリ経済』
  • 貧乏人は早く死ねというのか『老後破産』

    まだ暑い盛り「お年寄り、クーラーつけず熱中症、救急搬送8000円」というニュースを目にした。 省エネなのか冷や水か、場合によっては生命維持装置でもあるスイッチを切るなんて。こまめにON・OFFしても、浮く電気代はわずかなものらしい。電気代ケチって病院代かかるなんてギャグかと思っていたら、事情は違うようだ。その差ですら惜しむような、さらには電気代すら払えない高齢者の現実を、書で知った。 書では、年金だけでギリギリの生活をしている状況を、「老後破産」と位置づけ、必要な医療も受けられず、十分な事もとれない高齢者たちの実態を報告する。元はNHKスペシャル『老人漂流社会 "老後破産"の現実』(2014.9.28放送)をベースに、番組では紹介しきれなかった事例も併せて書き直している。番組は見逃していたが、報われない老後の現実が痛々しく、他人事とは思えない。 たとえば、港区の築50年のアパートに住

    貧乏人は早く死ねというのか『老後破産』
    yutakaan02
    yutakaan02 2015/10/15
    気力と体力って大事だな
  • 『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』はスゴ本

    意識は科学で説明可能か? このとんでもなくハードな問題に突入する。ギリギリ捻られる読書体験を請け合う。 著者は現役の哲学者、意識という現象を自然科学的な枠組みのもとで理解するという問題(意識のハード・プロブレム)に、真っ向から取り組んでいる。「物理主義」や「クオリア」、「哲学的ゾンビ」「意識の表象理論」を駆使して、科学・哲学の両方に跨がる難問に挑戦する。[wikipedia:意識のハード・プロブレム]に興味がある方は、ぜひ手にして欲しい。深く遠いところまで連れて行かれるぞ。 ハードがあるなら、イージーもある。流行りの認知科学にありがちな、MRIやCT、電気パルスを用いて、脳状態と意識経験の相関を明らかにする研究だ。例えば赤い色を見たとき、脳のどの部位がどのような状態になっているかを解明する問題で、これが意識のイージー・プロブレムになる。怪しげな脳科学者が、「脳はここまで解明された!」と宣っ

    『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』はスゴ本
  • 人生を面白くする一冊『人生ドラクエ化マニュアル』

    人生を難しくしているのは私なのだから、面白くするのも私だ。限界を決めているのは自分だから、破るのも自分だ。そのやり方を指南するのがこれ。 しがらみ・ローン・世間体に挟まれて、溶けかかった人生にとって、いい電撃になった。さらっと読めるくせに、忘れていた情熱を盛大に煽ってくれる、しかもドラクエを燃料にして。 よくある「人生で大切なことはゲームで学んだ」的なライフハックのコピペ集かと思いきや、より構造化されたマニュアルとなっている。「人生=ドラクエ」に喩えるだけでなく、その喩えからのズレこそが、人生をより面白くさせていることに気づかせてくれる。現実逃避のためのゲームが、人生をブーストしてくれるのだ。 たとえば、人生(という名の)ゲームにおける敵は、目標(=夢)を設定した瞬間、自動生成されるという。この「敵」とは、目標の前に立ちはだかる障害となる人になる。面白いのは、ただ「たたかう」ことで倒すだけ

    人生を面白くする一冊『人生ドラクエ化マニュアル』
    yutakaan02
    yutakaan02 2015/05/12
    何これ面白そう
  • なぜ女は忘れるのか『フィクションの中の記憶喪失』

    『凪のあすから』後半は、熱い涙が止まらない。 ベタな展開が見えているのに滂沱を禁じ得ない。「好きを取り戻したい」」と「好きになっちゃいけない」、そして「この気持ちは誰のもの?」が交錯し、打ちのめされたり裂かれたり。ラスト3話はタオル用意して正解、今まで体感してきた「切ない気持ち」が、完全に上書きされた。そのテーマがこれだ。 もし、「人を好きになる気持ち」を奪われたら、その女の子は別人になるのか。 もちろん、過去のことは覚えているから、いわゆる記憶喪失ではない。ただし、「人を好きになる気持ち」に結びつく言動を思い出そうとすると、霞んでしまう。一種のマインドコントロールといっていい。この描き分けが凄い。(洗脳の典型である)瞳の色だけでなく、「人を好きになる」方へ向かいそうになると、微妙なしぐさで「らしくなさ」が表れる。まるで別人のように。『凪のあすから』は、フィクションではお約束としての「記憶

    なぜ女は忘れるのか『フィクションの中の記憶喪失』
  • 読みだせば、徹夜を覚悟するだろう『ゴーン・ガール』

    厭ミス=厭なミステリの金字塔。 テーマは「結婚」。夫婦が、男と女が、ほんとうにわかり合うということは、どういうことか、震えるほどの恐怖と迫力で伝わってくる。虚栄、欺瞞、嫉妬、支配、背信、復讐、嘘、嘘そして嘘……男女にまつわる、ありとあらゆるマイナスの感情を、こころゆくまで堪能できる。「夫婦あるある」すれ違いだと思っていたら、物語のフルスイングに脳天直撃される(しかも、二度も三度も)。 小説としては典型的な、「信頼できない語り手」で紡がれる。の日記と、夫の独白が交互に重なるのだが、どうもおかしい。「ある日突然、が失踪する」のだが、妙に冷静で何かを隠しているような夫ニックも、その日に至るまでのナルシズムまみれのエイミー日記も違和感を抱かせる。じわじわ不審感が増してくる、この誘導の仕方が抜群に上手いのだ。肘まで腕を差し込んだ腹の探り合いは、気持ち悪さとともに、自分とパートナーの不協和音を増

    読みだせば、徹夜を覚悟するだろう『ゴーン・ガール』
  • この本がスゴい!2013

    人生は短く、読むは尽きない。 せめて「わたし」が知らない凄いと出合うべく、それを読んでる「あなた」を探す。このブログに込めた意味であり、このブログを通じて数え切れないほど「あなた」に教えてもらった。 ともすると自分の興味を森羅と取り違えがちなわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしてくれる「あなた」は、とても貴重で重要だ。そんな「あなた」のおかげで、ネットやリアルを通じて出会い、ここ一年で読んできた中から選りすぐりを並べてみる。 なお、ここでの紹介は氷山の一角、一番新しくアツいのは、facebook「スゴオフ」を覗いてみてほしい。読まずに死ねるか級がざくざくあるゾ。 フィクション ■ 『東雲侑子は短編小説をあいしている』 森橋ビンゴ(ファミ通文庫) ラノベを読むのは、存在しなかった青春を味わうため。 「いいおもい」なんて、なかった。劣等感と自己嫌悪に苛まれ、屈した日々が終

    この本がスゴい!2013
  • 俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本

    わたしの嫁さんは、美人である。 いわゆるカワイイ系ではなく、美人。レトロなフランス人形のような整った顔立ちをしている。一目惚れから十数年、結婚してよかったなーと思う。 だが、男女が一緒に暮らすのだから、順風満帆というわけにゆかぬ。カッとなって激しくやりあった夜や、冷たい応酬の日々が続いたときは、後悔することもある。 さらに、メタ視点から、「この結婚」に対する認知の歪みも自覚している。結婚に費やした時間、コスト、感情、労力が莫大かつ取り戻せないため、「この結婚はいいものだ」という認識に反する事柄を、予め排除しようとする。この結婚を否定することは、そこに費やしたわたしを否定することになる。あまりに犠牲が大きいため、結婚を疑うことに一種の恐怖を感じる。 そしてこれを、「サンクコストの誤謬」と呼ぶことも知っている。莫大な投資をした事業から撤退しようにも、取り戻せない費用を、サンクコスト(埋没費用)

    俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本
  • この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)

    「マイベスト新潮文庫」を探すべく、書棚と脳裏を漁るのだが……出るわ出るわ、記憶からも積山からも怒濤のごとく、文芸、海外歴史、冒険、ミステリ、ファンタジー、ドキュメンタリー、エッセイ……ありすぎて選べない。 だから、も一つ「しばり」を設ける。それは「徹夜小説」であること。ひたすら面白く、寝を忘れて読みふけった鉄板を挙げる。くれぐれも、明日がお休みの夜を見計らって手にしてほしい。 ■「シャンタラム」 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ 未読なら、おめでとう。「これより面白いのがあったら教えてくれ」という傑作だから。憑かれたように読みふけり、時を忘れる夢中だ。(わたしは4回乗り過ごし、2度事を忘れ、1晩完徹した)。巻措く能わぬ程度じゃなく、手に張り付いて離れない。とにかく先が気になって気になって仕方がない。前知識は邪魔、完全に身を任せて、物語にダイブせよ。 とはいうものの、蛇足気味に補足

    この新潮文庫がスゴい!(徹夜小説編)
  • 嘘と統計を見抜けないと、経済は難しい「クルーグマン教授の経済入門」

    説明のための、道具としての経済を学ぶシリーズ。 日経新聞中毒症だったこともあり、経済は避けたい話題だった。なぜなら、嘘と統計の区別がつかないから。詐欺師と経済学者の区別がつかないから。その場のレトリックや明快さに騙されて、嘘に気づくのえらい年月を要するから。 日米貿易摩擦は"大問題"だったし、ユーロの"脅威"が取りざたされてた。自由化と規制緩和こそが"経済活性化の鍵"と言われてた。うすうす胡散臭さは感じてたものの、「なぜ」なのかを考えていなかった。新聞からはデータではなく、主張を読み取っていたから。とがった感情論や、借りてきたナショナリズムを振り回すことが「経済について議論する」ことだと取り違えていたから。 そうした思い込みを払い落とし、現象を解説する「経済学の使い方」が分かる。経済にとって当に重要な問題は、「生産性」「所得分配」「失業」の3つだという。この観点から、巷を騒がす財政赤字や

    嘘と統計を見抜けないと、経済は難しい「クルーグマン教授の経済入門」
  • 「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本

    あと数年で思春期にさしかかる。「なってから」読むのでは遅い。だから、「なる前に」やれる準備はしておこう。そのための心強い一冊となった。一読、「思春期の親業」に自信がつく、スゴというよりも、心構えをつくる。 もちろんマニュアル世代ですが何か? こういう手引きというかマニュアルを良しとしない人がいる。だが、むしろ先達の経験+専門家の知識を短期間で吸収できる。あたって砕けろ的な現場主義はいただけない。で練習して、実地に適用する。教ばかりも情けないが(ビジネス書フェチの畳上水練)、選んで読んで、実践とフィードバックをしていこう。 思春期のポイントは2つ、「自尊心」「コミュニケーション力」を育てること。「自尊心」とは、そのままの自分の存在を肯定する気持ちのこと。「コミュニケーション力」は気持ちを分かりやすく伝えることで、他者とのつながりを深めたり、求めるものを得る能力のこと。両者は密接な

    「10代の子をもつ親が知っておきたいこと」はスゴ本
  • プレゼンを上達させる三冊

    昔の蔵出し。プレゼン上達のための三冊。要するに場数の問題なのだが、もっと準備するべきところがあるのでは?備えあればうれしいな、といえる三冊を選んだ。週刊アスキー2010年1月5・12日号のレビューを転載(編集部より許可済)。 「プレゼンテーションZen」は、読むだけでプレゼンが上達する。いや、「見るだけ」で上手くなる。なぜなら、書そのものが優れたお手になっているから。巷に数多のハウツーとは一線を画し、優れたプレゼンへのメソッドではなく、アプローチや心構え、哲学を提示する。プレゼンといえばパワーポイントを弄ることだと思っているなら、「まず、パソコンから離れろ」という提案は新鮮かも。重要なのはストーリーテリング(物語)で、スライドはその「演出」にすぎないという。だから最初は紙とエンピツだけで、「何が言いたいのか、なぜそれが重要なのか」に向かい合えというのだ。詳しい紹介は、「プレゼンテーシ

    プレゼンを上達させる三冊
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