米国の日本語教育が縮小傾向にある。昨年9月のリーマン・ショック以後の景気悪化にともなう財政難によるもので、首都ワシントン近郊で20年の歴史を持つ公立小学校の日本語特別訓練プログラムも廃止の危機にある。一方、中国は経済力にモノを言わせて中国語教育の普及を推進。日米関係が揺れる中、日本政府の消極姿勢が、海外での日本語教育の衰退をもたらすという懸念も浮上している。(バージニア州フェアファックス 渡辺浩生) 「きょうのがくしゅう なにをしますか いちじです さんすうをします」。教師のあとを30人の一年生が復唱する。壁にはひらがな・カタカナ表、教師は日本語しか話さない。子供たちが手にする年季の入った教科書は、故橋本龍太郎元首相の久美子夫人が寄贈したものという。 バージニア州フェアファックス郡グレート・フォールズ小。1年から6年まで120人が日本語プログラムを選択し、算数、理科、保健の授業を日本語で受