——前編ではマンガ遍歴をお聞きしながら、幼い頃の平野さんを形作ったCLAMP作品を「平野綾が選ぶマンガベスト3」のひとつに挙げていただきました。あとふたつはいかがでしょうか? 平野:私の元を作ったという意味では、岡崎京子さんも欠かせません。なかでも『ヘルタースケルター』はバイブルのようなもので、岡崎作品のなかでもダントツに好きでした。初めて読んだのもやはり10代の終わり頃で……やっぱり、あれがバイブルだとは、当時の平野綾としてどうなんだろう?という怖れもあって、人に言えませんでしたけど。 ——全身整形を隠して美を追い求めるモデル・りりこの栄光と転落が描かれた名作ですが、平野さんが最も心揺さぶられたのは、どういうところですか? 平野:今だからお話できることなんですけど……『ヘルタースケルター』に出会った時期は、ちょうど『ハルヒ』の後くらいなのかな?私自身ものすごく忙しかった頃でした。明け方に