佐藤多佳子さんの「明るい夜に出かけて」を読んだ。 主人公は訳あって大学休学中、現在はコンビニのアルバイター。 彼の1年間を描くこの物語には、青春のこそばゆさ、もどかしさがぎゅっと詰まっていて、読みはじめてすぐに引き込まれた。 若者の1人称で誰にでも読み易い、入りやすい物語だと思う。 人と違う自分に生きづらさを感じている人、かつてそんなふうに感じていた大人たちに読んで欲しい一冊。 深夜のコンビニで、行き場のない寂しさを紛らわしたことのあるあなたなら、きっと響く物語です。 ある事件がきっかけで大学に行けなくなり、実家にも居られなくてコンビニのアルバイトと一人暮らしを始めた主人公富山。 仕事や同僚にも少しずつ慣れてきた頃、深夜のコンビニで変わった客を見つける。 ピンクのジャージ、ぼさぼさの髪。 中学生にしか見えない少女がリュックに付けていたのは富山がいつも聞いている深夜ラジオでネタを採用され、選