たとえば、ビジネスでうまいアイデアを思いついたとしよう。新サービスでも社内の業務改革でも何でもいい。今まで誰も取り組んだことのない、ブリリアントな案だと、自分には思える。ただし、そのアイデアを実現するためには、自分の権限範囲だけでは足りない。上司を納得させ、予算や人を確保し、あるいは役員会でプレゼンテーションが必要になるかもしれない。とにかく、社内に味方を作って、実現に向けていかなければならない。 英語ではこのような行動の事を、きわめて端的に“Sell”=『売る』と表現する。つまり、アイデアの社内への売り込みである。この言い方は、受注ビジネスで、顧客に案を提出して説得する場合でも同じように用いられる。顧客が奇妙な要求を、(例によって)後出しジャンケンのように出してきたとしよう。当方も作業が進んでしまっているので、対案を考えてうまく通さなくてはならない。この場合、顧客はこちらのアイデアに対し
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