町口覚さんと、手がけた写真集の数々 「写真集は、何でできている?」 2021年4月に公開されたドキュメンタリー映画「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」。その冒頭は、町口覚さんのシーンから始まる。王子製紙が所有する北海道の冬の森で、木の伐採に立ち会う。 「写真集って、何でできてるか知ってる?」。きっかけは、森山さんの事務所を訪ねてきた監督の岩間玄さんに、町口さんが尋ねた一言だった。 「グラフィックデザイナーは、紙がなくなると何もできない」と町口さん。ドキュメンタリー映画は、森山さんのデビュー作となる1968年の写真集『にっぽん劇場写真帖』を辿りながら、新たな決定版を作り、同時に森で育った木が紙になるまでの製紙のプロセスも浮かび上がる構成になっている。 映画には、茹でられた丸太からホカホカの湯気が上がるシーンもある。 「丸太を入れて、芋の煮ころがしみたいに茹でて、ある
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