酒の席での説教から「日本人だねえ」という謎の褒めまで。外国人社員の目に映る「日本の職場」の不条理な現実 都内某所。うす曇りの空の下、大きな公園の入口で待っていると、遠くからジャケット姿の男性が猛スピードで走ってくるのが目に止まる。彼は私の前まで到達すると、なんとか呼吸を整えながらこう言った。 「遅くなってすみません…!」 待ち合わせは10時ちょうどで、実は私自身が2分ほど遅刻していた。そしてシャハランさんはそれからさらに3分、つまり5分遅れただけだった。そもそも事前に電話で遅刻の連絡も入っていた。 「営業では遅刻なんて絶対しないんですけど…車がとてつもなく混んでいて…!」 自分はどちらかと言うとルーズな方なので、とてもきっちりとした性格の方なのだなというのが、彼に対して抱いた最初の印象だった――。 石野シャハランさん、38歳。1980年にイランの首都テヘランで生まれ、22歳になった2002