初めて茨城県牛久市にある東日本入国管理センターを訪れたのは、桜が満開の季節だった。門をくぐると、見事な桜並木が建物の入り口まで続いている。「きれいですよね。でもこの桜、収容されている人たちは見られないんですよ」と、弁護士の駒井知会さんがもどかしそうに語っていた。 定員700名のこの施設には、コロナ禍でもなお、多くの外国人が収容されている。殆どの人々は送還に応じているものの、一部の帰れない事情を抱えている人々が、先行きの見えない生活を施設内で送っている。帰国すれば迫害を受けるかもしれない、日本に家族がいる、生活の基盤がすべて日本にあるなど、帰ることができない事情は様々だ。 東日本入国管理センターへはまず、上野駅から牛久駅まで約1時間電車に揺られ、そこからさらにバスを30分ほど乗り継いでようやくたどり着く。近隣に暮らしている人々を除いては、たどり着くのも一苦労の場所だ。面会に向かう家族たちにと