ブックマーク / crossacross.org (4)

  • 高齢化対応は少子化対策や移民受入ではなく定年変更が正道

    少子化と高齢化はともに生産年齢人口比率の低下させ、福祉における「支える人口と支えられる人口の比率」の悪化による支える側の負担増と支えられる側の給付減や1、経済への悪影響が懸念されている2 3。少子化と高齢化はともにこれを悪化させる原因となるため、まとめて“少子高齢化”として扱われることも多い。しかし、両者は質的に別の現象であり、高齢化の問題を少子化対策や移民受け入れなど若い世代を増やそうとする対策のみで解決しようとすると破綻する。 高齢化によって“支えられる人口”が増えたとき、支える人口と支えられる人口の比を保つには2種類の方法が考えられる。一つは定年を延長することであり、もう一つは若者(生産年齢人口)を増やして“支える人口”を増やすことである。しかし若者を増やしてこの比率を保とうとすると、1歳ごとの人口は若いほど増えねばならず、ネズミ算式に増やす必要が生じてくる。 この状況をもう少し具

    高齢化対応は少子化対策や移民受入ではなく定年変更が正道
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    z10a41dcb 2023/08/11
  • 介護の賃金が上がらない理由

    先日日記を公開した際に「介護の賃金がなぜ低いのか」という意見をいくつかいただいた(統計を見ると若干上がっているようだが1、業界団体的には「従業員の確保が困難」な程度であるようだ2)。この問題は「高齢化問題(のうち特に年金財政の悪化)は少子化対策では解決しない」=「長寿化とは老いの苦しみが長引くことである」といった議論と並ぶ、長寿化議論の中核をなす問題の一つで、𝕏(ツイッター)ではよく解説しているので、この機会にブログに固定しておこうと思う。 介護の生産性を上げられない 介護の賃金が上がらない理由の一つは、介護は生産性を上げにくい――一人当たり、単位時間あたりの処理量を増やしにくいからである。 多くの労働集約産業では、機械化で生産性が大きく向上してきた。製造業ではかつて家内制手工業の時代は職人が鑿と金槌を振るって一つずつ作っていたものが、機械化により短時間でで何百という数を作るものに変わっ

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    z10a41dcb 2023/08/11
  • 人口小国のタックスヘイブン化と人口大国の対処

    グローバル化と税率競争 1983年ころから、各国の法人税や最高所得税率が下がっていることが指摘されている。時期的に冷戦末期で、グローバル化が進展してきたころであり、国が税率を下げて人やカネを呼び込もうとする税率低下競争(tax competition)が起きたのではないかと考えられている。税率低下競争といっても単に税率が下がるだけならまだ問題は少ないが、その恩恵はいとも簡単に国境を越えられる企業や富裕層に偏って享受され、そう簡単に生活基盤を捨てられない庶民にとってはその恩恵は受けにくい。そのため、税率低下競争は実質的には累進性を緩める競争となって富裕層を利し1、不平等拡大に寄与しているという考えは根強い2。また、税収や累進性の低下により社会保障の持続性が損なわれる可能性を危ぶむ声も強い34。 人口小国がタックスヘイブン化するメカニズム 税率低下競争の中でも、租税回避地(タックスヘイブン)は

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  • グローバル化の必然の帰結としての不平等

    スーパースター効果 グローバル化が格差の原因になっているか否かという議論は数多い。私見としては、量はともかく定性的にはいわゆるスーパースター効果1により「知的財産を売っている」「一握りのトップ」が所得を上げやすい環境になっているというのが筆者の私見である。スーパースター効果とは、以下のような効果である。 20世紀初頭までは、音楽や演劇は基的に実演家による生演奏・名演技で提供されており、一度の実演で稼ぐことができるのは劇場の客席数が最大限であった。それだけではそこそこの収入にしかならないため、実演形は何公演もこなして日銭を稼いでいた。この時点での芸能界は、実演家の労働集約的側面が大きく、劇場ごとに中程度の収入のある実演家がいたと大まかに考えてよい。 それが一変するのはラジオやレコード、映画テレビといった伝達メディアの登場である。これらの登場により、1人の実演家が相手にする市場は、一つの劇

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