撮影:林直 3. 避難所としての美術館:はみ出すものをすくうこと / 個人的な物語を編み出すこと YM この『マイ・フェイバリット』展というのは、ものすごく個人的なタイトルかと。これは河本さんのフェイバリットですよね? KS このタイトルに至るまでに、少し屈折した経緯があります。英語の【Index】という単語は非常に興味深い言葉で、辞書を見ると「蔵書目録」と同じウエイトで「禁書」という意味合いがあります。【インデックス】という言葉をいつか展覧会で使いたいなとは前から思っていました。今回の展覧会は美術館の分類項目がテーマの一つであり、「検索目録云々」というタイトルは構想の最初から考えていたのです。ところが昨年の秋に、息子の本棚に、『とある魔術の禁書目録[インデックス]』(鎌池和馬著、電撃文庫、メディアワークス)というノベルズを見つけました。これを読んだら面白いし構想もしっかりしている。知の集