■秋季大会 右ひじ痛で降板 「安楽は今、病院へ検査に行っています。もう帰ってくる頃なんですが・・・」 済美高校野球部の上甲正典監督は、そういって時計に目をやった。つられて自分の腕時計に目を落とすと、午後6時を回ったところだった。 どんな結果が出るのか。9月の秋季大会で右ひじを痛めて途中降板した2年生エースの安楽智大は以来、キャッチボールさえ控えて、回復に務めてきた。 もう、かなり前から痛みなどはなかったが、それでも監督が「今度やったら、もう投げられなくなるぞ」と釘を刺し、ボールを握らせなかった。 ■上甲監督「高校生は難しい」 12月17日、再検査。果たして・・・。 待つ間、済美球技場の監督室で、7月の愛媛県大会から、8月の甲子園、そして、故障をした秋季大会へ至るまでの安楽の状態を伺った。 すると上甲監督はまず、「高校生は難しい・・・」と呟くように言って、腕を組んだ。安楽が、一度調子を落とし