先日、ドキュメンタリー映画「風の波紋」の試写会にお邪魔いたしました。 監督を手がけたのは、佐藤真監督作品「阿賀に生きる」(92年)の撮影を手がけたほか、2009年にはケニアのストリート・チルドレンを描いた「チョコラ!」を監督した小林茂さん。どちらも大好きな作品だけに、今回も期待に胸を膨らませて試写会場に足を運びました。 この作品の舞台は、新潟県の長野県境に近い豪雪地帯「妻有(つまり)地方」。稲作を主な生業とする小規模な集落が点在するこの地方のうち、小林監督は十日町や松之山、津南、上越に住む人々に目を向けます。 この作品がユニークなのは、集落に代々住む人々だけでなく、都会からのIターン移住者にも目を向けているということ。登場人物のひとりである小暮茂夫さんは2002年に東京から中立山集落に移り住んだ方で、住居は茅葺き屋根の古民家。荒れ果てた棚田にみずから手を入れ、古来からの村落生活にどっぷりと