東京都知事選挙では、新聞・テレビは小池百合子氏、増田寛也氏、鳥越俊太郎氏の“主要3候補”ばかりを取り上げた。 しかし、選挙戦取材を重ねると、むしろ面白いのは当選そっちのけ(?)で言いたい放題の“その他の候補”たちだった。 都知事選の立候補者は過去最多の総勢21人。なかでも、都民を驚かせたのが75歳の山口敏夫・元労働相の出馬だった。政界再編時の変わり身の早さから「政界の牛若丸」の異名を持ち、閣僚経験者で衆議院議員10期という実績は、“主要3候補”をはるかにしのぐ。 ただし、1994年に二信組事件(※注)に関与した疑いで逮捕され、実刑判決を受けて国政引退に追い込まれた経緯があるだけに、街頭演説に集まった人からは、「まだ生きていたのか」「本当に本物か?」の声が上がっていた。 【※注/1994年、経営破綻に陥った東京協和信用組合、安全信用組合の元理事長らが背任容疑で逮捕された事件。巨額の不正融資が