法科大学院において,罪刑法定主義を軽視したり,党派的に偏らず公平・公正に司法が運用されるということに特段の価値を見出さないという人が刑事系の教科を教えるというのは,私は適切ではないと思っていたりします。そういう考え方を植え付けられた法科大学院生が法曹資格を取得し,検察官や裁判官になったときに,社会に与える害悪はとても大きいからです。 「検察官等の捜査機関はアドホック的に刑罰法規を拡張解釈して市民を逮捕・起訴してよく,しかも,その捜査権は政治的に中立的に行使する必要はない」ということを認めてしまうと,捜査機関にその構成員を相当数送り込んだ組織は,その組織にとって都合の悪い者を警察・検察権力を用いて社会的に葬り去ることが合法的にできるようになってしまいます。捜査機関が如何にアドホック的に刑罰法規を拡張しても自分には逮捕される要素は一切ないというほど綺麗に生きている人間などほとんど存在しませんか