本日の日経の経済教室は、一橋の川口大司さんの「揺らぐ日本型雇用慣行 正社員の『入口』拡大急げ 非正規との垣根低く 中途採用促進へ法改正を」です。 いったいどういう法改正を唱えておられるのかというと、 >日本企業は共同投資体のメンバーとなる正社員の採用には極めて慎重である。そもそも企業が採用面接で自社にあった人材を見分けるのは難しい。さまざまな人材が入り交じる労働市場から適切な人材を捜し当てるのは確率の要素も加わるため、適切な人材がいる確率が高い新卒から採用してリスクを減らそうとする。・・・ >面接だけでなく実際に働いてもらってから採用することができれば、中途採用に積極的になる企業が出てくるだろう。しかしこうした採用方法を妨げているのが試用期間の法的取扱いである。試用期間終了後に正式採用しないことは、日本では解雇と同列に扱われている。そのため、「とりあえず働いてもらって相性がよければ採用する
八代尚宏「新自由主義の復権」を読んでいる。この本を紹介していただいた濱口桂一郎さんのブログではそこそこ高い評価をしているが、私はやはりイデオロギーにがんじからめになっているものの見方が随所に見られるところを感じるし、公共投資に関しての考え方は全く間違っているように思う。 p79で、都市部の鉄道の利益は都市部の投資に回されるべきだった、と書いていてそうすれば都会の通勤混雑はいまほどひどくなかったかのようなことを書いている。 しかし現実を見ればそれは違うことがわかる。東京にしても関西にしても複々線化は国鉄の方が先行し、一番遅い総武線でも国鉄時代の1979年に終了している。それが都会の運賃でまかなえたかということには、wikipediaなどでは疑義を呈する書き込みもされている。分割民営化時に処理に苦しんだ累積債務額はこのときの複々線化の投資五方面作戦によって膨らんだという説がかかれている。 一方
【ワシントン共同】米国の科学者が1940年代、薬の効果を確かめる目的で中米グアテマラの刑務所などで性病に感染させる人体実験を行っていた問題で、オバマ大統領直轄の調査委員会は29日、83人が死亡したと明らかにした。AP通信が報じた。 調査委のメンバーは「科学者は医学的進歩を優先し、人間としての良識を後回しにした」と批判している。 人体実験を行ったのは、米公衆衛生当局所属の医師ら。兵士や受刑者、精神障害者らが対象となり、1300人が梅毒などに感染。実験の目的は、抗生物質ペニシリンの治療効果を調べるためだったが、医学的に有益な情報は得られなかったという。
私もエントリーの多くをネットウヨ批判に費やしてしまっている昨今であるが、富田メモ報道以後の右派系ブロガーの言説は常道を逸しているものが多く、批判する以前に危機感さえ感じる。もはや彼らは右翼ではないのではないかとさえ思う。 ブログでは常に政治的なエントリーを中心として自説を唱える人もあれば、たまに政治的なエントリーを入れ、日本の外交姿勢の評価や北朝鮮、韓国、中国の批判、朝日新聞の批判などに言及する人もいる。後者のエントリーの特徴として、プロフィールが自虐的なものが多いのが特徴である。「へタレです」「引きこもりです」「35歳独身のヲタ」「思ったままダラダラと書いてます」とか書いてあると、そのエントリーに反論する気もなくなる。政治以外のテーマを見ると、ゲームやモー娘、サッカーといった普通のブログのエントリーが並ぶ。 こういうごく普通の人たちが、政治的に過激な言説を繰り返すのは激しい違和感を禁じえ
民主党の代表選挙があった。 一国の総理大臣を決める選挙なのだが、あまり盛り上がらない。 私自身も選挙結果にそれほど興味がない。 日本の政治過程は成熟期にあり、誰が総理大臣になっても、それほど違いが出ないようにシステムが作り込まれているからである。 安全と言えば、安全だし、不活性的と言えば、不活性的である。 東日本大震災以来の官邸の対応について「スピード感がない」という批判が繰り返されたが、たぶん「スピード感がない、だらだらしている」というのが成熟期に入った政治プロセスの特徴なのだろう。 「スピード感がない」というのは、いまの政治を否定的に論評するときの流行語になっている。 同じように「まったなし」というのが財政危機や景況についての形容の定型になっている。 状況は「まったなし」で切迫しているのであるから、「スピード感のある」対応が必至である、という言明は整合的なように聞こえるけれど、こういう
8月21日、中野で1日だけ上映された「南京!南京!」を見てきました。 500人くらい入る小さなホールで、2回上映され、1回目の上映の後、陸川監督も参加するシンポジウムがありました。日本酒好きだそうです。中国で新作を作成中に、この上映会のためだけに来日して、シンポ後すぐに羽田に向ったそうです。ちなみに「学生かよ」と思うくらい、めっちゃラフな格好で来てました。 史実との相違 捕虜を機関銃で虐殺したり、あちこちで斬首してたりとか、描かれた事件として特に史実と異なるものは見当たりませんでした。南京陥落直前に南京から逃げようとする中国軍兵士と門を守る中国軍兵士との衝突についてもリアルに描いています*1。 また、市街戦で抵抗する中国軍部隊(ちゃんと制服を着ているので便衣兵ではありませんよ)と日本軍部隊の戦闘が中々にリアルですが、中国軍の陸剣熊隊長(リウ・イエ 劉菀)がかっこよすぎ。 戦闘終了後、難民か
先日、あらゆる公共を敵視し、増税に反対するティーパーティをテロリストと決めつけ、日本でも「税金をごっそり取って、一部を需要創出効果の高い公共事業に回せばよいのだ」と主張されている竹森俊平氏の記事を紹介しましたが、 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-78d9.html(竹森俊平氏の増税による公共事業論) 本日の朝日の鼎談(北岡伸一、大山礼子両氏と)でも、その議論をさらに展開しています。 >竹森 民主党が参院選の敗北や小沢問題などを経て、どれだけ成長したのかが問われたのが今回の代表戦だったと思う。今この時点で増税について候補者の中で唯一言及し、3党合意を尊重するといった候補に票が集まったことは、民主党が現実から学び成長した証拠と評価できる。 >竹森 ・・・日本では震災からの復興というなすべき経済対策がはっきりしているが
2011年8月27日、東京都台東区で開かれた「第2回 核・原子力のない未来をめざす市民集会」にて、中手聖一氏が講演を行いました。中手聖一氏は、「子供たちを放射能から守る福島ネットワーク」の代表を努め、20ミリシーベルト問題の交渉を始め、多岐にわたって活動されています。 今回の講演では、放射線健康管理リスクアドバイザー山下俊一氏の言動について、鋭く批判するなど、福島県の実体を、運動の中心にいる立場からの視点で述べています。 そして、疎開の必要性を強く訴えています。 ※初稿です。誤字などは随時修正していきます。 (書き起こし、1:51:15から) 中手聖一「え、皆さんはじめまして。えー、子供たちを放射能から守る福島ネットワーク、という団体の中手と申します。宜しくお願い致します。 え、3月11日に震災がありました。地震がありました。地震だけでも大変な揺れでした。えーもちろん私自身はあんな揺れは経
Twitter上で佐々木俊尚氏のツイートが何度もRTされていたのでチラッと内容を見たらどうやら彼が: なんでも「政治が悪い」と政治のせいにしても何も残らない グローバライゼーションや情報社会の格差の存在は認めないわけにはゆかない 平等社会を夢想することは「ないものねだり」だ もっと当事者としての意識を持とう という趣旨の一連の発言(上の引用はあくまでも僕が彼の一連のツイートを斜め読みしたときの印象であり一語一語そのままではありません)をしたところ、それをネガティブに受け取った人々からのリアクションがあり、それが炎上につながったようです。 僕は彼の主張はマトモだと思います。 いや、こんなことは別に佐々木氏に指摘されるまでもなく過去に歴史上何度も繰り返されてきた常識だと思います。 インターネットの普及は当初の蜜月期を過ぎて今は社会パラダイムの変化、そして社会の軋轢を生む局面へと進もうとしていま
西谷修-Global Studies Laboratory 時事的なコメント、関連企画のお知らせ、その他西谷の仕事に関連する公開用ノートなどを、雑誌のコラム感覚(?)で公表しています。 もう終りも近いが、思い立って古居みずえさんの映画『ぼくたちは見た――ガザ・サムニ家の子どもたち』を観にいった(ユーロスペース、モーニングショー)。2008年末から2009年初頭にかけて、イスラエル軍がガザ地区へ大規模な攻撃をしかけ、1400人余りの犠牲者(うち子どもが300人以上だが、イスラエル兵の死者は13人のみ)を出した。アメリカのオバマ新大統領就任の直前を狙うかのように起きたイスラエルの侵攻で、国連の建てた学校が砲撃されたり、イラクで米軍が用いて非難された白燐光弾が使われるなど、イスラエルの攻撃でも最も残虐なものだった。 古居は3月と8月に現地を取材して、この地域で農業を営んでいたサムニ家の生き残った
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