「執行日に家族に言葉残すなら生まれてきてすみませんでした」 この短歌は、今年の「死刑囚表現展」に応募されたものだ。 死刑囚表現展とは、2005年から開催されてきたもので、今年で第18回目。毎年、多くの死刑囚から絵画や文章、俳句、短歌などの作品が応募されてくるそうだ。年に1回、そんな作品を集めた展覧会が開催されるのだが、今年の7月、表現展の「常連」である、秋葉原事件の加藤智大の死刑が執行。はからずも「遺作」となった作品は執行前にすでに表現展の方に届いているということで、それを一目見ようと会場を訪れた。 驚いたのは、来場者の多さ。会場に入りきれないほどの人が来ており、多くの作品に人だかりができている。しかも大半が若い世代。死刑について関心があるのか、もしくは怖いもの見たさのサブカル的興味なのか、入場料が無料ということもあるのかわからないが、若者たちが死刑囚の作品に見入るのは不思議な光景だった。