知り合いのTさんから聞いた話では、算数/数学ができるようになると、入試で合格できる学校の偏差値はぐっと高まるという。他教科よりも出題数が少なく部分点もないので、取りこぼしが大きくなる算数や数学では大きな点差がつく。だから、数学の理解を優先させると、難関校が合格圏に入ってくる。本当だろうか? 個人レヴェルだけではなく、社会全体でも数学力を高めることが望ましいと議論された時期がある。2000年代のアメリカでは数学優先政策を主張する運動があった。研究でも数学力の高い学生は賃金も高くなるという結果が示されていた(Levine and Zimmerman 1995; Rose and Betts 2004; Joensen and Nielsen 2009)。 では、大学の理系学部を志望しない小中学生も、算数/数学を優先して勉強すべきなのだろうか。もしも、大学卒業までに習得する学習内容ではなく大学「
![第64回 大学進学には数学よりも国語の学力が役立つ――50万人のデータから分かったこと《途上国研究の最先端》(伊藤 成朗) - アジア経済研究所](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/198df73567ab1bd016e6d051c960f1ce92e04791/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.ide.go.jp%2Flibrary%2FJapanese%2FIDEsquare%2FColumn%2Fimages%2FISQ000002%2FISQ000002.jpg)