最も大きな変化は共働き世帯の増加だ。2017年の段階で専業主婦世帯の2倍近い約1188万世帯に達した。約40年前の1980年頃は今と全く逆で、多数を占める専業主婦世帯が共働き世帯の約2倍だった。こうした世帯状況の変化を背景に注目を集めているのが「時産家電」、つまり「時間を生み出す家電」である。 「時産」というのは「時短」にも似た言葉だが、何かの作業にかける時間を短縮する「時短」とは少し違う。「日々の生活における作業と作業の合間に新しい時間を作り出す」という意味だ。単純に作業時間を短縮するのではなく、合間作業を可能にする。ここに大きな価値がある。 最たる例に「食器洗い乾燥機」がある。食器をザッとお湯で流してセットしたら、後はボタンを押すだけできれいに洗って乾かしてくれる。食器を洗う作業を自動化して省力化するという側面もあるが、食器洗いと片付けに要する時間の長さだけを取り出して考えるとむしろ増