僕は漫画家です。 漫画を描くことが仕事です。 一人では原稿を量産できないので、作画スタッフと一緒に漫画を製作します。 さて、ある日、新人作画スタッフがやって来ました。 彼は20歳の若者で、将来漫画家を目指しています。 まずは簡単な絵を描いてもらいましょう。 じゃあ、サイコロ。 実際にサイコロを手渡し、「そっくりに描いてください」と言いました。 すると最初に描いてきたのはこんな絵。 制作時間は5分。 「もっと難しい絵を描かせてくださいよ」と意気込んでいます。 僕は彼にこう言います。 「サイコロの角の部分の線が繋がっていなかったり、はみ出して交わっていたりするね。実際のサイコロは線が線が繋がっていなかったり、はみ出したりしているかな?時間は気にしなくていいからさ。よく見て、もう一度描いてみてよ」 新人君は、「細い人だなぁ」と不満そうな顔をして、自分の机に戻っていきます。 そして、また10分後に
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