2016 - 09 - 02 夏の終わりのムーブオーバー ガムテープをびあっと伸ばし、いつの間にかカーペットの上で繁殖したちぢれ麺を丁寧にペッタンする。もし、このちぢれ麺が全てぼくのちぢれ麺ならば、今頃ぼくのバミューダトライアングルはアダムスキー型の未確認飛行物体の船体のようにツルツルだったはずで、髪の毛の成長する速度を考慮すると、このカーペットのちぢれ麺は、ぼくのモノでない事は明らかであった。理屈は分からずじまいであるが、このちぢれ麺はやはりいつの間にか繁殖しているという説が、当時のぼくには一番しっくりくるのだった。 ここは実家。本来ならば、お母さんが掃除機をかけるので、このようにガムテープでちぢれ麺をペッタンする必要はないが、その日はぼくがペッタンをする必要があった。 この日は両親が旅行に出かけ不在だったのだ。 高校性のぼくが、このように部屋をペッタンしまくる理由はひとつ、当時おそらく