読み始めは「甘酸っぱい青春もの」「お嬢さんのお気楽なヒッピーの真似事」の様相を見せていたものの、クライマックスからラストに向けて社会的メッセージがジワリ。 一気に読んでしまった、ヒリヒリした。
高校生の頃、向田邦子に興味を持ったことがあった。きっかけは思い出せないのだが、多分ドラマを見て惹かれたのだろう。それで2冊の本を読んだことがあり、うち1冊が本書であった。 今思うとよく十代で手にしたなと思う。大人の泥臭さを目の当たりにして、圧倒された。話の細かいところはさすがに朧ろだが、その泥臭さだけは強烈に覚えている。 向田邦子が亡くなった年齢と同じになった今、本格的に向田作品にハマりつつある。そこで改めて本書も再読してみたが、初めて読むかのように新鮮に感じられた。「かわうそ」「犬小屋」は、その独特のえぐみを覚えていたけど。苦々しいけどどこか滑稽で、でもゾワゾワと怖くて。歳を重ねて自分もそれなりに泥臭い経験をしてきたからか、登場人物達の抱く黒い感情に少し共感できる部分もあり。 昭和という時代背景もよい。当時の描写が色々と懐かしいけど、人の感情は生々しく浮かび上がってくる。そこに向田さんの
1983年デビュー。2008年NYへ音楽留学し、2012年ジャズピアニストとしてデビュー。2016年夏初の全曲ヴォーカルアルバム『answer july』を発表。現在はNYのみならず、アメリカ各地、南米、欧州でライブを行いながら、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、執筆活動も行なっている。2017年12月『「9番目の音の探して」~大江千里のジャズ案内 』をリリース。2018年2月にDVD「Answer July~Jazz Song Book~JAPAN TOUR2016」が発売。 「2018年 『ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」
安心のガリレオシリーズ。 こちらは六作目になるのかな。 図書館で借りて読んでみました。 ※探偵ガリレオ https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110075#comment ※予知夢 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110083#comment ※容疑者Xの献身 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110121#comment ※聖女の救済 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110148#comment 「容疑者Xの献身」「聖女の救済」に続く 長編ミステリーの三作目ということで、 今回は犯人が最後まで分からない展開に ハラハラドキドキというよりは、 「一体、ど
ソーシャルネットワークは独立したグループが結びついて形成されているという考え方は本書における最も重要な主張。非情に影響力のある人物を探し求めるよりも、無数に存在する小規模のグループに注目し、彼らに焦点を合わせて戦略を練るべきなのだ。 アドバイス 大勢の人々に対して普遍的な価値をアピールするようなコンテンツをつくろうとするのではなく、小規模なグループに響くようなコンテンツをつくること。 情報が広く伝わるかどうかを左右する最も重要な条件は、影響力を持つ人物がいるか否かではなく、影響を受けやすい人物が十分に存在し、彼らが同じように影響を受けやすい人々と繋がっているか否かである。 新しい発想が普及する際、イノベーター+ハブが出発点となるが、広く一般にまで到達するためにはフォロワー+ハブを経由しなければならない。 イノベーターハブはつながりを数多く持つだけでなく、心理的ハードルが低い人々だ。彼らは新
漫画としてはだいぶあっさりとした内容だけど、首都圏に住んでてもなかなか着目しないような渋い観光スポットを取り上げてるのは目新しさがあった。 東京観光の前に、行くエリアを絞るためのガイドブックとしては良いんじゃないかな(他のガイドブックや情報サイトと併用したほうがよさげだけど……) いまいち心惹かれる場所の紹介はなかったので続きを読むかは微妙だけど、姉妹シリーズ?で金沢を舞台にしたものがあるみたいなので、いつか金沢に行くときはそっちは読んでみるかも……です
2013/10/19読了。 ひたすら街歩きだった前巻から、ちょっとずつストーリーらしきものが出てくるという変化あり。 街撮りスナッパーはたいてい、光景を拾うというインプットの行為が面白くて写真を始めるものだけど、ある時ふと、写真は人に見せるアウトプットの行為でもあるということに気付く。というよりむしろ、アウトプットが本来の目的でインプットはそのための過程に過ぎない、アウトプットしないような奴は本気で写真をやってない、という風潮があることを知る。で、そこでいったん悩むわけで、それが前巻から本巻にかけての変化や、歩ちゃんの悩みになっているのかなと。 人に見せよう褒められようと思って写真撮ってるような奴は本気で街歩きをしていない、という考え方もあっていいのだけど、まあ高校生が写真部にいたらなかなかそうはなれないだろうなあ。写真部にいたことないので分からないけど。次巻以降、歩ちゃんがどういうふうに
手元にあったが、チェルシーファンのためページが重く。ファーギー引退でタイムリーなうちに、と一気に読み終えた。 過去のユナイテッドが異端であったことは置いておくとして、近年のユナイテッドは異端でもなんでも無い。かつてはチームのスタイルや歴史で異端かどうかを判断したのだろうが、今の時代、クラブが異端かどうかを決めるのは、しょうもないメディア様だ。香川の加入で一層加速したが、明らかにユナイテッドは正義の側、バルセロナと並んで善のフットボールクラブだろう(それが何より気に入らないのだが)。 ユナイテッドの歴史を端的に振り返り、キーパーソンを頭に入れることで、今後のスタンドカメラが映す顔に対する思いも変わるのだろう。チェルシーファンにとっては、所詮その程度の本。
注目の男性作家達による恋愛アンソロジー 今から約20年以上も前の作品だが、やっぱりこと恋愛については普遍的なものってあるんだなぁと感じた。 同じテーマを手にした作家の方々が繰り広げる話でも、料理人によってこうも違うものかと、ワクワクしながら其々に楽しませてもらった。まだ未読の作家さんもいらしたが、最初の伊坂幸太郎さんの「透明ポーラーベア」で、個性が十分に発揮されている作風を感じた。恋愛をそういう切口で描かれるのかぁと脱帽した。 男性目線で繰り広げられる恋愛アンソロジーも新鮮で面白い。 贔屓目にみてしまうので伊坂幸太郎さんは除くとして、伊坂さん以外では、石田衣良さんの「魔法のボタン」が印象に残った。読後にニンマリと爽やかな余韻を楽しめたからかもしれない。 きっと時期をおいて再読したら、また違う景色が見えるんだろうなぁと思った。短編にも関わらず限られた頁数の中でも、各々が情趣に富んでいる作品だ
スクールカーストを描いてるのに、なぜかカラッと明るくて 「さあ、次はどう来る?!」とわくわくしてしまう、不思議な本。 『ベルサイユのばら』や『おにいさまへ・・・』が大好きだった方、必読です! 美貌とプライドで聖鏡女学園中等部2年B組の頂点に君臨していた滝沢美姫。 彼女がちょっと調子に乗りすぎて起こした「腕時計事件」で姫グループから蹴落とされ 主人公の範子が属する地味グループに身柄を押し付けられて。。。 なんといっても面白いのが、フランス革命オタクの範子の視点。 彼女の脳内では、滝沢美姫はもはやマリー・アントワネットのごとき王妃! 腕時計事件でクラスのみんなの前で王妃がつるし上げられるホームルームは まさに、コンコルド広場での公開裁判。 王妃の権威が失墜した今、姫グループの居城に 恐れを知らぬゴス軍団が攻め入ったら・・・と、あわあわする。 姫グループ、ゴス軍団、ギャルズ軍団、チームマリア、地
1983年デビュー。2008年NYへ音楽留学し、2012年ジャズピアニストとしてデビュー。2016年夏初の全曲ヴォーカルアルバム『answer july』を発表。現在はNYのみならず、アメリカ各地、南米、欧州でライブを行いながら、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、執筆活動も行なっている。2017年12月『「9番目の音の探して」~大江千里のジャズ案内 』をリリース。2018年2月にDVD「Answer July~Jazz Song Book~JAPAN TOUR2016」が発売。 「2018年 『ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」
1983年デビュー。2008年NYへ音楽留学し、2012年ジャズピアニストとしてデビュー。2016年夏初の全曲ヴォーカルアルバム『answer july』を発表。現在はNYのみならず、アメリカ各地、南米、欧州でライブを行いながら、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、執筆活動も行なっている。2017年12月『「9番目の音の探して」~大江千里のジャズ案内 』をリリース。2018年2月にDVD「Answer July~Jazz Song Book~JAPAN TOUR2016」が発売。 「2018年 『ブルックリンでジャズを耕す 52歳から始めるひとりビジネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」
ギャングシリーズ第1作で、殺し屋シリーズが始まる前年、ちょうど20年前の作品です。 主役は4人の銀行強盗団、ギャングです。でも「陽気な」って付く通り、一風変わった能力をもつ4人でした。伊坂さん、強盗好きですね。彼らは、「なるべく人を傷つけない」主義のもと、鮮やかに颯爽と連携して強盗をします。そのキャラクター・手口がとても魅力的です。 暴力的犯罪活動もなく、金銭的利益を得ようとはしますが、反社会的集団、強固な組織や闘争性といった印象がほぼ感じられません。そのダサかっこよさの同居が伊坂流ギャングなんですね。 これに、ユーモアがあって軽快な会話の妙、スリルとスピード感ある先が読めない展開、次々と新たな事件に巻き込まれながら、伏線が見事に回収されていく爽快感など、伊坂ワールドの源流を感じさせてくれます。 ハイセンス伊坂節の一例は「割り算」の話。ゼロで割られない理由を、「ギャングの分け前計算に使うか
したたかな女性というのはまさに本作の元子のような女性のことであろうと思います。代り映えしない毎日から抜け出すために、相手の弱みに漬け込みながら自分の利益を上げていく様が面白く、一気に読み切ってしまいました。相手の弱みに漬け込むだけでなく、どういったことが想定されるかも加味しながら、自分の戦略を実行していく描写は痛快でもあり、次の展開がどんどん気になってしまいます。 架空口座や裏口入学などの問題に触れていますが、実際のところ、浮き彫りになっていないだけで本作にあるような大きなお金の流れというのは割と一般的なのかもしれません、あくまでフィクションでありながら、著者の社会に切り込むための小説であるような気がしてきました。
楽しかったー!ハードボイルド小説なるものが初めてでいわゆる「男の生き様」に魅力を感じられないのではと不安だった。が、完成された世界観と信念は魅力的でカッコよかった。それは共感するしないに関わらず。 持って回った言い回しや登場人物がころころと機嫌を変えるのも面白かった。結構すぐ謝るじゃん... 何よりギムレットの名台詞があの文脈で使われてたと知れたのは嬉しい。私はよく言われる意味とは違った文脈に思えたが...? ・どなたかが夏に読むといいと感想に書いていたのが決め手で今手に取ったのだけど、確かに蒸し暑い夏の夜がよく似合った。 ・幼い頃背伸びして読んだホームズの雰囲気が思い出された ・まず訳を選ぶところから入ったのは初めてで、1ページ目を読み比べてみて野崎訳に決めた。気に入った言い回しの文があったのもひとつ、情景が浮かびやすかったのもひとつ。訳次第で人格も世界観も結構変わるのが改めて驚き。
高円寺、荻窪、吉祥寺……中央線沿線の「街」を舞台に、ほんのすこしの変化を、ドラマチックな何かを待ち望む女性たちの姿を描いた短編集。 もう12年前、高校を卒業して、上京するため東京駅へ向かう高速バスのなかで読んでいたことをまだ覚えている。ちょうど部屋を借りているのは吉祥寺で、それから私はしばらく中央線ユーザーとして東京で暮らすことになる。 日常に倦むということがよくわかっていない18歳は、新生活に胸を躍らせるばかりで、この本の中にいる女性の誰にも共感することはなかった。傲慢にも「自分はこんなふうにはならない」とまで思っていたかもしれない。 だけどそれから十年以上経ち、日々凡庸さを極めていく己と生活に飽き飽きするにつれ、私は春が近づいてくるたびに、上京するあの日の自分と、本書のことを懐かしい気持ちで思い出すようになった。吉祥寺駅から徒歩20分のせまいワンルームまでの道のりを、嬉々として歩いてい
伊坂幸太郎さんデビュー作。 鎖国のように外の世界から閉ざされた島「荻島」に仙台からやってきた主人公:伊藤。島民や未来がわかる案山子と出会い交流していく物語。 言葉を話す案山子をはじめ個性的な人々が存在し、色々な事件が起きて話題も尽きないが、読み進めるほど各キャラクターの想いもわかって愛おしくなる。 小説版:不思議の国のアリスみたいな。 個人的には、案山子が誕生する徳之助と禄二郎のストーリーに感動! あと伊藤と田中2人きりのシーンも好き。 そして終盤の桜、かっこいい!(よくぞやってくれた。) 伊坂さんのセンスあるセリフがデビュー作から存在していたなんて改めて脱帽。 まだ未読の物語も読むのが楽しみ。
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