宗佑磨、吉田正尚、山本由伸……。2021年にペナントを制覇したオリックス・バファローズの躍進を支えた中心選手たちは、ある編成部長のスカウティングによって発掘されてきた。「俺、もしあのまま辞めないでいたら、最強のチームを作ってたよ」と語る元編成部長は、いったいどのような考えのもと、スカウティングを進めていたのだろうか。 ここでは、スポーツライターとして活躍する喜瀬雅則氏の著書『オリックスはなぜ優勝できたのか 苦闘と変革の25年』(光文社新書)の一部を抜粋。沢村賞投手・山本由伸の指名にあたってのエピソードを紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 週1の選手レポート、月1のスカウト会議 スカウトは、加藤のような元プロ選手でないケースは、むしろレアだ。大半が、選手を引退してからスカウトへと転身する。 「主観的な評価も、もちろん大事。選手目線での評価だよね。ただ、もう一つ、客観的な評価を教