日本には火山が数多くあって、地下では膨大な蒸気と熱水が発生している。自然の地熱を利用して大量の電力を作ることが可能だ。ただし火山地域には国立・国定公園や温泉があるために、発電所を建設できる場所が限られてしまう。運転を開始するまでの開発期間も10年以上の長期になる。 連載第3回:「小水力発電の3つの課題」 火山国である日本の地熱の資源量は、アメリカとインドネシアに次いで世界で第3位の規模がある。ところが実際に発電に利用しているのは2%程度に過ぎない。アメリカでは約10%の地熱を発電に利用していて、日本の5倍以上の発電量になっている。 最大の問題は、国立公園や国定公園など国が指定する自然公園の中では発電所の建設が認められていないことだ(「自然公園法」による)。ほとんどの火山地域が自然公園に含まれているために、地熱発電に適した場所の多くが対象から外れてしまう。 ただし最近になって規制が少しずつ緩