医療現場はビッグデータの宝庫です。電子カルテをはじめとして、心電図・血液検査・画像診断など無数のデータが蓄積されています。大量の情報から意味のある知見を見出すビッグデータ技術が医療業界でも活用される期待が高まってきました。ビッグデータは、医療の質を向上させ、人体の秘密を解明し、難病の治癒へつなげることができるのでしょうか。アメリカ国立衛生研究所の「ヒトコネクトーム計画」や、セネガルのオレンジ・テレコムによるエボラ出血熱のリスク推定の事例を紹介します。 医療業界の諸問題解決の糸口となるビッグデータ 日本の医療費は38兆円を超えるとされ、ヘルスケア業界は一大産業となっています。高齢社会の加速による治療・介護の需要拡大、医療費高騰とそれを抑えるための健康管理、地域ごとの偏在を含む医療従事者不足、難病・伝染病対策といったさまざまな問題が指摘されてきました。しかし、医療業務の複雑さ、リスクの高さなど
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