Aはある文を読み上げていますが、ところどころ音がとぎれています。何と言っているのでしょう。BもAと同じ内容の文ですが、とぎれたところに雑音が入っています。CとDは同じ音楽をとぎれとぎれにしたものですが、Dの方はとぎれたところに雑音が入っています。聞こえ方を比べてみてください。 AとB、CとDは、雑音以外はまったく同じです(図1:Aの音、図2:Bの音の、振幅波形(上段)とサウンドスペクトログラム(下段))。雑音の部分には、声やピアノの音は存在していません。それにもかかわらず、AよりもB、CよりもDが、明らかに聞き取りやすいのではないでしょうか。BやDでは、雑音の背後で、声やピアノがなめらかにつながっているように聞こえます。このように、音響信号の中断部分に別の強い音を挿入すると中断部分が補完される現象を「連続聴効果」、とくに話し声の場合を「音韻修復」と呼びます。 人の話し声や音楽など、日常生活