「聡明で、博識で、機知に富む/政治や哲学や文学について存分に語りあえる/ギリシアやローマの女神のように若くて美しくて/都会の悪習にも現代社会の思想にも染まっていない、純粋無垢な娘/確実に処女でなければならない/『エミール』の理想の伴侶ソフィーのように肉体的に健康/寒くて侘しい禁欲生活に耐えられるくらい丈夫」(表紙カバーそでより引用) …なんじゃそりゃ、と思ったかたも多いでしょう。なんとこれが、ある男性にとっての理想の花嫁像。1700年代後半、イギリスにて慈善家、児童文学作家、アメリカの独立運動にも大きな影響を与えた、トマス・デイという名の実際の人物の理想の結婚相手なのです。要するに、頭が良くて美人で若くて純粋無垢で健康な処女じゃないと!ということ。そんなに都合の良い相手はいないだろうと思ったあなた、その通り。当時のデイは、家柄も良くお金持ちで、文学的才能もあり、他人を不思議と惹きつける個