イエス・キリストが使っていたとされるアラム語は、紀元後の初期に中東で広まったが、その起源は紀元前10世紀にまでさかのぼる。古代アラム語を起源とする方言は今もトルコやイラク北部など中東各地で使用されている、と古代語の専門家ジャンバプティスト・ヨン氏は言う。シリア北東部では、アラム語から派生したシリア語が今でも使われている。AFP通信がその間の事情を紹介している。 シリアの首都ダマスカス周辺には、アラム語を話す三つの村がある。その中で最も知られているマアルーラ村は、アラム語で「入り口」を意味している。周辺は、世界最古のキリスト教徒定住地の一つであり、アラム語は2000年以上もの間、使われてきた。だが、シリア国内にいるアラム語を主に話す人は減り続けており、今では数えるほどしか残っていない。 「こうした状況が続けば、アラム語は5~10年以内に消えてしまうだろう」と、専門家の1人ジョージ・ザアルール