『結 妹背山婦女庭訓 波模様 』大島 真寿美 (著)文春文庫あらすじ明和八年、近松半二が書いた「妹背山婦女丁庭訓」は大盛況だった。 繁盛している酒屋の若旦那の平三郎は芝居好きが高じて義太夫節にも絵にも才を見出す。 半二の弟子の徳蔵は家業があり、なかなか目が出ないものの浄瑠璃作家への道を諦められずにいる。 半二の娘、おきみは幼い頃から浄瑠璃を見て育ってきたため、徳蔵は彼女の意見を頼りにしていた。 そんな折、徳蔵に歌舞伎の脚本を書いてみないか、という誘いが入る。 人形浄瑠璃に魅せられた人々の悲喜こもごも多趣味で器用な平三郎は人形浄瑠璃の「妹背山婦女庭訓」にどはまりし、何遍も見に行きます。 舞台の様子を残そうと絵に描き家族に見せると喜ばれ、浄瑠璃の詞章を覚えようと義太夫節を練習し、楽しむ日々。 気がつけば芝居道楽の強者として名を馳せるようになっていました。 知り合いとなった半二の弟子の徳蔵や、半