昆虫の脱皮と変態に関わる幼若(ようじゃく)ホルモン※の阻害剤は農薬の有力候補ですが、幼若ホルモンは不安定で解析が難しく、その生合成や働きに関わるタンパク質についての情報は不十分でした。 今回、幼若ホルモンの合成酵素タンパク質の一つと受容体タンパク質の働きを止めたカイコを、それぞれ作出したところ、最大の食害をもたらす終齢幼虫になる前に死にました。 カイコと共通点が多いチョウ目害虫のこれらのタンパク質の働きを抑えることにより、幼虫による食害を防ぐ、新たな農薬の開発を行っています。 農業生物資源研究所(生物研)は、幼若(ようじゃく)ホルモンの合成酵素の一つとその受容体タンパク質の遺伝子の働きをそれぞれ止めることにより、「幼若ホルモンを全く作れないカイコ」と、このホルモンの「受容体が機能しない(幼若ホルモンが働かない)カイコ」を作出し、この酵素やタンパク質を阻害した場合の効果を確認しました。 幼若