有害な男らしさが問題視される一方で、その対になる概念である有害な女らしさについての議論は少ない。男らしさのステレオタイプに暴力性や支配性のような有害な側面があり、他者や自分自身を傷つけるのと同様に、女らしさのステレオタイプにも弱者性や他責性のような有害な側面があり、他者や自分自身を傷つける。この記事では、海外での議論や研究を基にしながら、有害な女らしさの概要をまとめていく。 有害な女らしさの定義有害な女らしさとは、ステレオタイプで時代遅れな「女はこうあるべき」という規範を内面化した人物が、その規範に基づいて他人を妨害したり[1]、他者だけでなく自分自身をも傷つける[2]ことをいう。有害な女らしさによる妨害や攻撃は、わかりにくく偽装され[3]、女性の規範や生物学的特性を言い訳に正当化される[4]。 有害な男らしさについてはすでに多くの議論がある。その一方で、対になる概念である有害な女らしさに
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