娯楽作品には、その時代の価値観が色濃く反映される。たとえば19世紀末、世界は急速な工業化を果たし、自然科学的な思想が広まった。宗教は力を失っていき、1885年にニーチェは「神は死んだ」と宣言する。神の創造物たる人類は、自分たちの創造主を倒してしまった。1818年に小説『フランケンシュタイン』が発表されたのは示唆的だ。科学者が人造人間(Creature)に復讐される――つまり「創造主が自らの創造物に襲われる」というストーリーだった。※1 では、現在の娯楽作品はどうだろう。 現在、娯楽といえばビデオゲームだ。かつてファミコンは子供のおもちゃだったが、いまでは大人たちの余暇に豊かな経験を与えてくれる存在へと成長した。映画や小説、アメコミ、マンガ――様々な作品たちの影響を受けながら、ビデオゲームは娯楽の王者として君臨している。 アサシン クリードIII【CEROレーティング「Z」】 出版社/メーカ