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ブックマーク / morinorihide.hatenablog.com (10)

  • 三浦俊彦『東大の先生 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!』を読んだ - 昆虫亀

    読んだ。 今年度は「アート思考ブームの教育的意義を美学の観点から検証する――創造性、独創性、自己啓発」という研究課題で研究費をとってるので、とりあえずいろいろアートビジネス書系のを読んでいる。これ系のはたいてい「アート」という言葉を無造作にふりまわす雑な議論のオンパレードなので、読むのがとてもしんどい。自己啓発書研究で有名な牧野智和さんも、一時期自己啓発書を読みまくったらしいけど、それに似た地獄観がある。 以下、感想。 まず良いところ。 イラストがかわいい 色が付いてるのでカラフル すぐ読める とにかくとても読みやすいデザインなので、編集者の能力はとても高いと思う。 なお中身のデザインは、この記事ですこし見ることができる。 prtimes.jp 要は、対話型アフィリエイト記事っぽいデザイン。 話の中身としては、芸術の「脱現実」機能をやたらと推していて、しかも「アートの純度」という謎の評

    三浦俊彦『東大の先生 超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!』を読んだ - 昆虫亀
  • 分析美学を学ぶ人のために、邦語文献リーディングリスト(2018年版) - 昆虫亀

    5年前に、「日語で読める分析美学」というエントリで文献リストを作ってたんですけど、その後いろいろと文献も出てきたし、そろそろ更新しようかなーと思って「邦語文献リーディングリスト2018年版」をつくりました。※その後、適宜更新しています。 こちらに公開しておきます。年末年始の読書用にもどうぞ。 pdf版 word版 以下、いくつか注意点を。 想定ターゲット層は「哲学・美学・表象文化論あたりを専門とする学部生」です。 「そもそも美学って何?」という人はこちらのエントリを参考にして下さい。哲学文献に馴染みのない人は、先にこちらから入ったほうがいいかもですね。→「美学を一から勉強するひとのために:文献リスト」 この文献リストは、来年度の慶應義塾大学での授業向けにつくったものです。全部で13の大項目を立てていますが、どういう項目を立てるかは私の授業内容に合わせて決めています。つまり、このリストで分

    分析美学を学ぶ人のために、邦語文献リーディングリスト(2018年版) - 昆虫亀
  • 9月上旬より、紀伊國屋書店新宿南店で分析美学ブックフェアを開催します。 - 昆虫亀

    紀伊國屋書店新宿南店で分析美学ブックフェアを開催します。 そろそろ正式告知OKとなりましたので、こちらでも宣伝しておきます。 『分析美学基論文集』刊行記念 森功次プロデュース 分析美学は加速する――美と芸術を駆けめぐるブックマップ最新版 紀伊國屋書店新宿南店*1 開催期間:9月8日から10月下旬予定。 ※開始日確定しました webページが公開されました! http://socio-logic.jp/events/201509_aesthetics.php ブックフェア会場では無料のブックガイド冊子を配布します。まだ現在編集中ですのでページ数がどれくらいになるかわかりませんが、かなり充実してます。ぜんぶで4万字(!)近い。 追記:ブックガイド冊子全部で32ページになりました! これほんと読みごたえある。 項目立て&執筆陣は以下のとおりです。 美と芸術を駆けめぐるブックマップ 構成 はじめに

    9月上旬より、紀伊國屋書店新宿南店で分析美学ブックフェアを開催します。 - 昆虫亀
    zmzizm
    zmzizm 2015/08/23
    この冊子はほんとためになるのでみんなもらいにいくとよい
  • 分析美学にはどのようなトピックがあるのか - 昆虫亀

    先日、とある学部生が分析美学は面白いよ、というブログ記事を書いてて、 http://ertb.hateblo.jp/entry/2015/05/30/223856 それを受けてtwitterで松永くんがちょっといいこと言ってました。 分析美学にかぎったことではないけど、美学者はもうちょっと「美学の問題のポイントがよくわかるしもっと勉強して考えたい」みたいな感想を学部生から引き出すことに注力したほうがよい— matsunaga s:3D (@zmzizm) May 30, 2015 美や芸術やセンスについて自分が日ごろ考えているあれこれが美学のなかでどういうふうに整理されて掘り下げられて論じられておりますというのを知るとっかかりがほんとになかったし、たぶんいまもないんだろう— matsunaga s:3D (@zmzizm) May 30, 2015 まぁ入門書的な教科書については数年前にま

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    zmzizm
    zmzizm 2015/06/01
    読んでね
  • 「分析美学は薄っぺらい」という意見について思ったいくつかのこと - 昆虫亀

    先週末に美学会(九州大学)に参加してきたんだが、そこで(相変わらず)何人かの方から「分析美学ってなんか薄っぺらいよね」的なコメントを聞いたので、akadaさんのこの記事を読み返していた。 哲学の初学者にありがちな間違い - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ 分析美学や分析哲学に対しては、一方の方々は「薄っぺらい」「深みがない」「当たり前のこと言ってるだけ」と感じ、もう一方の(とくに専門的にやってる)人たちは「議論が着実に洗練されていってるとても意義のある分野」だと感じている、というギャップがしばしば見られる。じっさい『分析美学入門』を翻訳したあとしばらく分析美学に対する批判や感想に耳をすましていたこともあって、「薄っぺらい」的な批判はたくさん聞いてきた。面と向かって直接言われたこともしばしばある。このギャップはどこから来てるんだろうか、という点は前々から気になっていた*1んだが、最近ちょ

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  • 『分析美学入門』解説エントリ、その3、日本語で読める分析美学1 - 昆虫亀

    『分析美学入門』解説エントリ、その3です。 前回から少し間があきました。まぁあまり焦らず、気が向いたら書くという感じですこしずつ続けていこうかなと思います。 各章の解説や補足など書いていくつもりだったのですが、ちょっとその前に今回は、『分析美学入門』を読んでもう少し分析美学について知りたいなーと思った人のために、日語で読める分析美学の文献をすこし紹介しておこうかなと思います。 ※追記:2019年から「分析美学邦語文献リーディングリスト」を作成し、公開しています。そちらもどうぞ。 あとがきにも書いたように、残念ながら分析美学関係の文献は翻訳があまり進んでおりません。『分析美学入門』の文献表ページに、邦訳のあるものは載せておりますが、そんなに多くはないのですね。ほんとは分析哲学みたいに基礎論文集を数巻組で出したいのですが、昨今の出版事情のせいか、数巻組の翻訳論文集とか出してくれなさそうです。

    『分析美学入門』解説エントリ、その3、日本語で読める分析美学1 - 昆虫亀
  • 『分析美学入門』解説エントリ、その4、日本語で読める分析美学2 - 昆虫亀

    『分析美学入門』解説エントリ、続きです。 今回は第7章以降のトピックで日語で読める分析美学の文献紹介をしていきます。 翻訳は相変わらずあまりないですが、日語の論考はまとめたらそれなりに数ありますね。 webから取れるものも多いです。 第7章 意味解釈と作者の意図 このトピックでは、最近『美学』に河合大介さんの論文が出ました。 河合大介(2012)「現実意図主義の暇疵」『美学』63(2), 1-12, これに関して似たような議論は、言語哲学や言語学の領域でたくさんなされてきたはずなので、そっちの領域に何かいい論文があるのかもしれません。何かあったらお知らせ下さい。 まぁ言語学に関しては最近良質の解説書が出たので、それを読むのが一番いいのかもしれません。高いけど。 アラン・クルーズ『言語における意味』片岡宏仁訳、東京電機大学出版局、2012 第8章 フィクション フィクションについては日

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  • 西村清和『プラスチックの木はなにが悪いのか』への山形浩生氏の書評 - 昆虫亀

    西村清和の『プラスチックの木でなにが悪いのか』について山形浩生が書評(のようなもの)を書いてる。 http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120120 ただ、読み方があまりにひどい*1。 このひと議論の流れをまったく理解できてないどころか、そもそも哲学書の読み方を身につけてないんじゃないか、とも一瞬思ってしまったけども、まぁ一応たくさんを読んでらっしゃる人だし、英語も読める人だし、西村の書き方も悪い所がないわけではないので、一応、専門家の端くれとしてフォローしとかなきゃいけないな、とおもって書く次第。 いっときますが、個人攻撃ではありません。こういう誤読はよくあるし、このあたりの議論をこれまでちゃんと世間に紹介してなかった美学者にも責任があるのです。 このについては、以前のエントリも参照。 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門 作者:西村清和

    西村清和『プラスチックの木はなにが悪いのか』への山形浩生氏の書評 - 昆虫亀
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    zmzizm 2012/01/21
    規範(街路樹はかくあるべし)を主張してるものとして読むからおかしいんであって、メタな話(「街路樹はかくあるべし」って主張はどういう前提伴ってるか)として読めばするっといけるでしょ(山形へのつっこみです
  • 2009年度、美学芸術学演習 - 昆虫亀

    学部3年生必修科目である「美学芸術学演習」が今日終了。一年間TAやりました。 授業内容 美学の基文献(の一部抜粋)の翻訳をあらかじめ配布し、それについて担当学生が背景を説明しながら40分程度発表、その後全員でディスカッション。 夏学期は事前にこちらで文献を選定しておき、発表担当を割り振る。冬は生徒各自の問題関心を聞いた上で、当該分野の基文献の中からテクストを指定。(基的に、生徒にテクスト選択の自由はない。) レポートは夏冬それぞれ学期終了後に4000字以上。(「授業であつかった論者2人(自分が担当してない論者でもOK)の主張を比較検討しつつ論ぜよ」) TAやってると、さすがに「配布箇所だけ翻訳読んで授業に望む」というわけにもいかんので、結構予習に追われた一年でした。つかれた。 (たぶん、この授業でいちばん多く学んだのは俺。) 以下が、読んだテクスト。 夏学期 プラトン『饗宴』 アリス

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    zmzizm 2012/01/08
  • 西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか:環境美学入門』 - 昆虫亀

    社長のが出ました。宣伝。 環境美学、環境アートに興味がある人は必読。 また、このの半分程度は、自然環境以外の「醜」「廃墟」「風景」「香り」「味」「不道徳作品」といった考察にあてられてますので、そうした問題に興味がある人も、読んどくべきでしょう。 一部はリヒターについての現代アート論にもなってるし、そういう点では表象文化論のひと向けなところもあるんではないか*1。 このようにいろんなトピックをあつかうあたりとか、随所随所の記述の明晰さとか、いろいろとさすがだなーってところがあります。 こうした、蓄積感を醸しだす記述は、私にはまだまだ無理です。 あと、単純に作品の具体例が多いから、おもしろいよ。 ただ正直いうと、僕はこのを適切に評価できる立場にないのですね。 というのも、僕は社長と日常的にいろいろ議論しているし、今年は講義もでてるので、社長のほとんどの主張はだいたいわかるし、その背景の問

    西村清和『プラスチックの木でなにが悪いのか:環境美学入門』 - 昆虫亀
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    zmzizm 2011/12/27
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