2015〜2017年に構築した情報システムが、障害やセキュリティインシデントを頻発させる――。 その根底には、IT業界の人手不足という問題が流れている。筆者は2014年7月に実施したアンケートの結果から、 こうした懸念を強くしている。 人手不足は既に日本全体の問題だ。厚生労働省が2014年9月10日に発表した「労働経済動向調査」に よると正社員は13期連続、パートタイム労働者は20期連続で不足超過だった。 正社員の場合、「不足している」とした回答から「過剰だ」との回答を引いた労働者過不足判断DIは2014年5月の 調査から5ポイント上がり、リーマンショック前の2008年2月以来の高水準となった。 人手不足に頭を抱えている業界として真っ先に思い浮かぶのは、飲食業だろう。 アルバイトの賃金は高騰しているが、それでも人手を集められない。少数の従業員で店舗運営に当たらざるを得ず、 厳しい労働環境が