「内務省は、具体的な使い方をあまり教えてくれないんですよ」。そう冗談交じりで話すのは、NECの海外営業本部アフリカ担当の高木直由グループマネージャだ。NECは南アフリカ政府に、国民を管理するための指紋認証システムを納入している。データベースの規模は7000万人。紛れもなく、世界最大級の指紋認証システムである。 当初は4500万人規模のデータベースでスタートしたが、今では南アフリカの人口をはるかに上回る規模になった。資源ブームで流入する移民を管理するのにも使われているからだ。 ほかの国でも空港や警察などで指紋認証システムが利用されている例はあり、シンガポールでは電子パスポートにも利用されている。しかし、国民を管理するためにこれほどの規模で指紋認証システムが利用されているのは、世界でも稀である。 公共サービスも携帯電話の契約もすべて指紋 指紋が登録されているのは、16歳以上の国民に発行される「